ボタン問題
また夫にイラっとさせられた。
着ているシャツをさして「このボタン取れそうだなー」と、私に言った。
つまりは、取れる前にボタンをつけ替えろということか?
直接たのむのではなく、あたりまえのように、さりげなく私に裁縫をさせようとする態度にカチンときた。「ボタン取れそう」と言えば、ボタンを自動的につけてくれる家政婦ロボットが起動するとでも思っているのか?
過去20年の結婚生活では、むしろ私のほうから取れかけのボタンに気づいて、なにも言われなくても当然のようにボタンをつけ替えていた。
でも先日、私の中の老朽化した「我慢のダム」が決壊したので、これ以上我慢できない体質に変わってしまった。
ボタン発言を聞いた瞬間は自分のムカつきをうまく整理できなかったが、その後じっくり考えて、ボタンの件は無視することに決めた。
最近、夫からあたりまえのように家事を要求されると、あっという間にキレる自分をもてあましている。
でも言葉には出さないのでケンカにはならない。
アイロン問題
ずっと半年以上イライラし続けているのはアイロン問題だ。
夫はアイロンを自分でかける習慣がないようだ(ファッションは気にするが細かい点には無頓着)。
自分のシャツと夫のシャツとハンカチ等々。
夫は休日でも比較的ちゃんとしたシャツを着るのが好きだ。
形状記憶のシャツが増えているが、洗濯後見るとしわくちゃに見えるものもある。
私はすごく神経質なので必要以上にいろいろなことに気づいてしまう。そこは大きな問題点だ。
最近、本当にアイロンかけがいやになって夫のハンカチもベランダから取り込んだまま手でたたんでおさめるようになった。
別に夫を差別しているわけではなく、自分のシャツもほとんどアイロンをかけなくなった。
「アイロンがけ」という行為がとても時代遅れのものに感じられるのだ。
ふと思いついてネットでアイロンのハンカチのしわの伸ばしかたを調べた。
いちばん良さそうと思ったのはQ&Aの回答で、洗濯機で脱水した後、干す前にしわをしっかり伸ばして、パチンパチンたたいてしわを消したりしてたたむそうだ。そのまま置いておくと型がつく。その後、干すそうだ。すごい逆転の発想!(やったらうまくいった)
シャツも干すときにしわを伸ばして干すといいと書いてあったのでそうしたが、ぜんぜんしわがとりきれてない気がする。たぶん気にしすぎなのだと思うが・・。(シャツのしわ伸ばしはとてもむずかしい)
いまどきアイロンがけなんて面倒なことをしているのは自分だけかと思ったが、検索すると「アイロンの正しいかけかた」みたいなサイトばかりだったので、やっぱりかけているようだ。アイロンなしでやっていく方法については情報がうすい。
ごはん問題
夕食は夫婦で一緒にとることが多いが、夫は和食が好きで、私は洋食が好きだ。
これまでは夫に合わせて和食を中心に食べていたが、もういやだ。自分が好きなものを食べたい。
それで夫の帰宅前に好きなものを一人で調理して食べてしまっている。
でも気が向いたら一緒になにかを食べる日もある(夫は料理が得意なので大きな問題は発生していない)。
夫のストレス問題
じわじわと家事をおしつけられて、これまでの快適な生活を奪われようとしている夫はひそかにストレスをためこんでいるようだ。
夜、酒を飲んで10時半以降になると、私にからんでネチネチと言葉で攻撃してくるようになった。
私の部屋が汚いとか・・。
夫がふだんから攻撃できる私の欠点をいつも探しているような被害妄想におちいる。
私がなにかあるとすぐ怒るとか。
いや、私は穏やかな人間だと思う(人からもそう言われる)。内部ではかなり怒っているが外に表さない。
でも確かに、不満を表明しないと夫は永遠に問題を察知しないということがわかったので、最近はたまに怒りを表すようにしている。
それが気にくわないのだろうか?
私が一生不満に対して我慢しつづけていれば夫の生活は快適だが、私はとても不幸だ。
妻として夫が快適に過ごせるようにとずっと気配りしてきたが、人に尽くす分、自分だけがすりへっていくのはどうなんだろうか?(夫はいつもかなり元気)
ある日仕事中もずっと家事問題、夫のストレス問題について考えつづけている自分を発見してショックだった。
早急になにか対策をたてなければと思った。
夫婦問題の解決策
どうがんばっても私は夫の性格を変えることはできない(これまでも変えようと努力した)。
当面の問題として酒が入ったときの夫のからみをどうにかしたかったのでインターネットで調べてみた。
Q&Aとかまとめサイトでは「しらふのときに問題がないなら受けながせ」「大目にみろ」というアドバイスが多いようだった。
それはこちらが求めている答えではないと思った(根本的な解決にならない)。
10年前にも夫婦関係で深刻になやんでいたときに男女脳のちがいを書いた啓発本(『話を聞かない男、地図が読めない女』の系統)を読んでかなり救われたことがあったので、今回も、ちょうど黒川伊保子の男女脳の本が話題なので試しに読んでみようと思った。
『男女脳』のレビューを読むと『妻のトリセツ』のほうがよさそうだったのでアマゾンで注文した(まだ届いていない。読むのが楽しみ。※その後読んで感想を書いたー>妻のトリセツ(黒川伊保子))。
インターネット上には妻に対する夫側の不満もたくさん書かれていた。
私はなんとなく、世の中の夫は仕事に意識の大部分が向いていて、家庭生活にはそれほど注意を向けていないと思いこんでいた(古い考え)。
だから妻が家事をしないことに不満をいだいている夫がこんなにもいるのかと驚いた。
この場合の夫婦にはだいたい子供がいる。
子供がいなくても私は家事がしたくないのに、子供が複数いたら妻(母)の生活はどれほど大変だろうと、女性側に同情を禁じえない。
妻が家事をしなくなった場合、夫があきらめて家事を負担するようだ。
今度は夫の側にもストレスが増大し、家庭が快適な場所ではなくなるので、家に寄りつかなくなったりするようだ。
妻には子供しか見えておらず、夫の妻に対する気持ちは冷えこんでいく。
ここまでいくと修正するのがかなり困難な状況で、仮面夫婦として生きていくか、熟年離婚に発展することもあるようだ。
うちも私が家事をやらなくなってきて、その穴埋めを夫がしている状況だ。
現状では飲酒時のネチネチからみ攻撃にうんざりで、私のほうが家に帰りたくなくなっている。
せまいマンションなので、夫を避けたいと思っても逃げ場がない。
本当に夫から距離をおきたいと思ったら、家を出ていかなければならない。
その選択肢は心の中につねに準備して戦っている。
夫のネチネチ攻撃はストレスの反動らしい。
私が夜10時半ごろに自室に引きこもるか、夫のストレスをへらせば攻撃がやわらぐかもしれない。
飲酒時のネチネチはさみしさの裏返しともネットに書いてあった。
これはうちの夫にかなりあてはまりそうだ。
なので、ふだんは別々に寝ているが(私が神経質で寝つきが悪いため)、なるべく夫と一緒に寝るように努力しようと思った。
夫のさみしさを解消する方向に動くことに決めて、「世の中の夫も苦しんでいるんだな~」ということを知って、なんとなく自分の中の夫へのイライラがやわらいだ。
この夜は夫の好きな和食の材料を買って帰り、お腹がすいても我慢して夫の帰宅をじっと待った。
予想よりも夫の帰りは遅かったが、彼も自分で食べるものをスーパーで調達していた(最近は夕食をそれぞれ好きに買ってきたりこなかったり)。
タコの刺身、青菜、ちょうどなくなっていた小麦粉を2人がかぶって購入していた。
夫は私と発想がかぶるとき「2人はやっぱり通じ合っている」と言ってとてもよろこぶ(たんなる連絡不足だと思うんだけど)。
夫は「糸を買ってきたので針を貸して」と言った。
ボタン問題発生時に私はなにも言わなかったけど、あの瞬間ムッとしたことを感知して対策を考えたみたいだ。
あるいはその後も無反応だったのであきらめて自分で処理する気になったのかも(前にも一度自分でボタンつけをしたことがある)。
夫は1枚のステッカーを買ってきた。
女子の言いわけステッカーのシリーズで、私に似てると思って買ってきたという。
たしかにこのステッカーの女子のように「充電切れ」状態になっていることはよくある。
「すごく疲れたのでもう立ち上がれない・・」といって寝転がっていたりする。
とても疲れたときはこのステッカーを自室のドアに掲示するとよいという(ひもで簡単に引っかけられるように加工してくれた)。
そうすれば夫も私が部屋に引きこもっている理由がはっきりとわかって、原因不明の地雷を踏んだのか?とムダに悩まずにすむという作戦らしい。
そして私は家事から免除される。
私のほうはというと、夫のさみしさ解消作戦の一環として、夫の部屋で一緒に寝ることが可能な日(休日前日とか)をカレンダーに前もってシールをはって示す計画を発表した。
夫はよく自分の部屋に遊びにおいでよ。こっちで寝なよと誘う。いつもことわってばかりで気の毒なので、こういう方法を考えたのだ。
先に楽しみがあれば、ちょっと辛いことがあっても耐えられるだろう。
また、私が支払っている分の家賃の値上げを提案した。
いま夫と一緒に過ごすために休みをとっている週末の1日を仕事にまわして、それを家賃の上乗せ分として計上する。
税金、年金、保険料、光熱費、通信費、食費(一部の外食費のぞく)はそれぞれ支払っているが、家賃は夫のほうが2倍以上払っている(会社負担分もあり)。
経済的な負担が大きく、そのうえ家事まで分担させられれば、ストレスが増大するのはあたりまえだ。
逆に、金で夫のストレスを少しでもやわらげられるなら簡単な話だと思ったのだ。
夫は家賃の値上げは必要ないといった。
私は家事の手抜き力をもっと向上させて、夫(と自分)の負担をへらそうと思った。
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