対コロナ事前調査
夫の休日の関係で、Go Toトラベル東京23区解禁に先立ち、9月9日(水)から11(金)まで草津温泉に2泊3日の旅行にいった。
今回の旅行計画はコロナのせいでぎりぎりまでなかなか決まらなかった。
難しいのは行き先選びだ。
夫は最初「中禅寺湖(栃木)はどうだろう?」と提案した。
コロナ中の旅行先は「どこに行きたいか?」よりも「どこが東京からの観光客を受け入れてくれるか?」に焦点がしぼられる。
行って差別待遇されるくらいなら行かないほうがいいし、正直こっちは気晴らしできればどこでもいいのだ。
[東京の客 歓迎 栃木]というキーワードで検索して探りをいれてみた。
ヒットしたコメントなどから栃木の人は東京からの観光客をこわがっていることがわかったので中禅寺湖の案は消えた。
[栃木]をはずして[東京の客 歓迎]で検索すると、コメントの範囲が広がった。
他にも候補地としてなんとなく思い浮かぶ伊豆(静岡)、箱根(神奈川)、軽井沢(長野)、山梨なども「東京から観光に来てほしい」よりも「コロナを広げられたら困る」という気持ちのほうが強いような印象を受けた。
私は群馬が好きなので、草津に行きたいと思った。
群馬の観光業者のコメントは他とはひと味違った。
もともと東京からの観光客が多く、東京を除外するとダメージが大きすぎるようなのだ。特に伊香保や草津は。
一方、群馬でも四万温泉などのマニアックな観光地は東京からの客がそれほど多くないので「あえてコロナ禍の最中に東京から来てもらわなくてもいい(意訳)。県内の人に来てもらいたい」というようなトーンだった。群馬県内でもコメントはまだら模様なのだ。
結局、草津は私たちをなんとか受け入れてくれそうだったのでそこに決めた。
対コロナ・ホテル選び
ホテルもコロナ対策万全かつ東京からの客にも優しい宿がいいと思い、探した。
夫のほうが私よりも現地の人から差別待遇される(冷たい態度をとられる/拒絶される)ことを恐れていたので必死でホテル選びをしていた。
最終的に大丈夫そうな宿を見つけてぎりぎりでネット予約した(「東京からだが大丈夫か?」と確認コメントまで入れたそうだ…慎重)。
予約したのは喜びの宿 高松。
夕食のメニューが同じだと困るので、1泊目は夕食・朝食付き、2泊目は朝食のみにした(結果的に朝食は1日目と2日目で違う内容だった)。
高松は、電車の吊り革広告を見たお客さん用の割引キャンペーン【たかまつりかわ】をやっている。
吊り革広告は都内でも見られるらしい。そして見なくてもキャンペーンサイトに書いてある合言葉を入れれば大変お得な割引が適用される。
「吊り革広告まで出すのだから、東京の人にも来てほしいのだろう」とも判断できる。
実際に、コロナ対策にとても力を入れていて、差別待遇もなく、何も心配せずに気持ちよく過ごすことができた。
草津に宿泊するのは今回が初めてだったが、高松の料理や温泉については草津において値段相応に平均的なレベルではないかと思った(とりわけ良くも、とりわけ悪くもない)。
東京―草津は高速バスがおすすめ
今までも日帰り旅行で3度ほど訪れた草津だが、今回2泊して「草津は絶対に宿泊旅行のほうがいい」と思った。
バスタ新宿12:05発の高速バス(上州ゆめぐり号)に乗り、草津温泉バスターミナルに16:10着。片道3510~3800円。
乗客数は行き(水曜日)が10人くらい。帰り(金曜日)が30人強だった(座席数40席)。
夫がいうには草津温泉の最寄り駅(長野原草津口駅)から草津温泉の盛り場までかなり距離があるので(バスで30分)、高速バスで行くほうが楽だそうだ(電車は乗り換えもある)。
草津温泉バスターミナルからホテルまで歩いていると草津温泉でいちばん人気のある観光スポット「湯畑」が見えた。
ここが草津最大の人口密集地だ。
とはいえコロナ中なので、到着した水曜日は閑散としていて、木曜日、金曜日と少しずつ観光客の数が増えていった。金曜日でもほどよい混み具合だ。
高速バスも、草津の温泉街も、大学生くらいの若い人がとても多かったのが印象的だった。
草津のおすすめ観光スポット
1. 地蔵の湯
2. 西の河原露天風呂
3. 草津熱帯圏
4. 湯畑
5. 大滝乃湯
1. 地蔵の湯
宿泊した高松から徒歩5分くらいの場所にある共同浴場。
チェックインして夕食までの間にどこかでさっそく温泉に入ろうと浴衣姿でウロウロ歩いていたときに見つけた(宿泊だとホテルの浴衣姿で温泉街をそぞろ歩けるのがとても楽しいのだ)。
道路に地蔵の湯への案内(矢印)が表示されているので、たどっていくと自然に着いた。
なんと料金は無料。
そしてこれまで草津で入った中でいちばん濃度が高く刺激的な温泉だった。
地蔵の湯は狭く、温泉と脱衣所一体型。洗い場なし。水温は44度でとても熱い。熱いだけではなく温泉成分が濃すぎるせいで肌にピリピリとした刺激(軽い痛み)を感じる。
あと地蔵の湯に住みついているかのようなお婆さんがいて、ちょっと話しかけられたが「どこから来たの?」とはきかれなかったのでホッとした。
今まで入った草津の温泉でいちばん濃厚な泉質。しかも無料なのだから行かなきゃ損。
2. 西の河原露天風呂
3度目だが、夜行くのは初めて。
昼間や夕方とはぜんぜん雰囲気が違って、異世界にたどりついたかのよう。
道中足もとが悪く真っ暗でとてもこわいけれどそれが楽しい(ぎりぎり道が見える明かりはあるけど、初めてだとたどり着くまで大変かも)。
湯畑から徒歩12分。大人料金600円(浴衣で行ったら100円割引してくれたので500円だった)。
とにかく広い露天風呂。泉質も最高レベル。脱衣所あり。洗い場なし。
草津で一度は行くべき大露天風呂。
3. 草津熱帯圏
今回初めて訪れた観光地。
ちょっとさびれたローカル感がたまらない。
というか、コロナで入園者が激減し本当に存続の危機に瀕しているそうだ。早めに行ったほうがいい。
湯畑から徒歩15分くらい。ちょっとわかりづらいけど案内の看板がある。散歩にちょうどよい距離
大人料金1100円。
公式サイトの割引チケットを印刷して持っていくと880円になる(スマホの画面で提示はNG)。
私たちはホテルなどに置いてある割引券を使ったので1000円で入園できた。
なにが見られるかというと・・・カピバラ、ミニブタ、マーラ、ヤギ、ヒツジ、アリクイ、多種類のサル、ワニ、ゾウガメ、アロワナ、アリゲーターガー、コロソマ、ナマズ、トカゲ、ヘビ、オオハシ、フラミンゴなど。
エサやりできるのは・・・ニホンサル、カピバラ、ミニブタ、マーラなど。エサは1皿/カップ100円。
触ることができるのは・・・コモンマーモセット、ピグミーマーモセットなど小型のサル数種類、ヒヨコ、ハムスター、カピバラ、ヤギ、ヒツジ、インコ類など。
熱帯圏はそんなに広くないけど、各動物につけられた説明文がわかりやすくユーモアがあり面白くて1つ1つ読んでいるとけっこう時間が経過していた。
あとエサやりしたり、動物と触れ合ったり、濃い楽しみかたができた。
エサやりできるサル山は最初においがきつかったけど、帰り際には係の人がホースで掃除していたのでにおいはほとんど気にならなくなった。においが薄いほうがエサやりする人が増えるようだ(特にカップルとか若い女性客)。
説明文を読むと飼育員の動物に対する愛情がひしひしと伝わってくるし、動物は個性的で面白いし、触れ合いも他の動物園よりも自由に放任状態で楽しめるし、全体的にリラックスムードでとても居心地がよかった。
草津熱帯圏の公式サイト・トップページのAmazonほしい物リストからバナナ、リンゴ、ニンジン、サツマイモなどを箱買いし、草津熱帯圏に送ることで帰宅後も間接的に動物たちにエサやりを続けることができ、動物がエサの差し入れを食べている様子を熱帯圏のSNSで確認することができる。
4. 湯畑
湯畑は草津温泉の中心にあるので、わざわざ行くというよりは自然にその周りを何度も歩くことになる。
湯畑は温泉好きにはとてもいいにおい。ずっと嗅いでいたいくらい。硫黄泉のゆで卵のような・・・
夫はあちこちで温泉水を飲泉していた。お腹のピロリ菌などを殺菌してくれるので体にいいと思っている。ただし酸がきついので歯のエナメル質を損なう可能性も・・・それでも彼は飲んでいた。
「すごく酸っぱい」というので私もひとなめしてみた。酸っぱいというより鉄分のような金属質の嫌な味がした(血のような)。
5. 大滝乃湯
草津熱帯圏の近くにある。外から見ると新しい温泉施設でありがたみが薄いのだが、温泉の泉質は濃くて大変おすすめ。
ここで初めて経験したのが「合わせ湯」。
合わせ湯とはなにか?
4つの小さめの浴槽が階段状に並んでいる。低いほうの浴槽から順番に入っていく。
低い場所にある浴槽のほうが温度が低い。
1分ずつ4種類の温度の浴槽に入って、だんだん高い温度に体を合わせていく入浴法だ。
最初はぬるめに感じるが、4つ目は45度くらいありそうだ。1分がまんするのも大変だった。
ただしこの日、男性用の合わせ湯はやってなかったと夫がいっていた。
大滝乃湯は泉質が最高レベルなだけではなく食事処や休憩室があり、ゆったり時間を過ごせるのがいいと思う。
草津に行くと「コロナに負けない」というキャッチフレーズをよく目にした。本当にそれを実行して観光業を盛り上げようとしているのをひしひしと感じた。
草津温泉旅行おすすめです!