過去の夫婦の食費の払い方
過去の家計
昔、結婚した当時、私はお姑さんから「働かないで息子を支えてほしい」と言われた。
働かないのはラクかと思い、最初は専業主婦をしていた。
私の母親も、お姑さんも専業主婦だったので、そんなに違和感はなかったのだ。
ところが夫はお坊っちゃんで、家に食費を入れるとかいう発想はない。
さすがに家賃くらいは言えば払ってくれたが、光熱費も支払うという発想はない。
私はお金の話をするのが苦手で、夫にお金を請求することに抵抗があり、なるべく自分で払っていた。
結婚時のお祝いを生活費に使っていたが、この気のきかない夫相手に専業主婦は無理だと悟り、在宅ワークで生活費をまかなった。
その後、在宅ワークでは稼げないので、パートに出た。
それから長い月日が流れた。
現在の夫婦の食費の払い方
試行錯誤しながら家計に折り合いをつける
現在も、こちらから言わないと夫は気が向いたときしか食費を払わないので、レシートを提示して半分(というか食べた分を)払ってもらうシステムを導入した。
- 私が立て替えて料理した分のレシートを取っておく
- 時間があるときにまとめて夫が食べた分の食費を計算して、レシートの上に赤ペンで記入する
- 残高はレシートの下に記入する
- 前回の残高から食費を引いて残高を更新する(レシートはまとめて百均のファイルにはさむ)
- 残高が少なくなったら夫にその旨を伝えるか、レシートは台所に掲示しているので夫が気づいて1万円を手渡してくれる(手持ちがなければ5千円のときも)
- 夫が支払った分の領収書を作成する(これも台所の壁にはってある)
- ファイルにレシートがたまりすぎたら古いものから捨てていく(夫はレシートを見ていない)
夫は料理が好きなので、一緒にスーパーで食材をみつくろって買い物することもたまにある。
そのときは全額夫が支払うが、その回数はとても少ない。
光熱費も折半だ。
光熱費は請求書をコンビニに持っていって支払っている。
少し前まで私がまとめて支払っていたが全額を立て替えるのが大変なので、夫に全額払ってもらって私が自分の分を手渡す方式に変えた。
家賃だけは私の負担額のほうが少ない。
私の家賃負担分の値上げを提案したこともあったが、今のままでいいとのことだった。
最近、家賃に関しては「更新費が高い」と夫がボヤくので、2年に一度不動産屋から請求される更新費の半額を月割りにして夫に払うようになった。
2年間で7万円を負担してほしいと夫が言うので、月に3千円ずつ更新費を家賃にプラスして払い始めた。
この7万円が更新費の半額なのかよくわからないが、わざわざ契約書を確認したりはしていない。
夫婦間のお金に関する交渉はむずかしい。
そもそも私たちは相手の給料がいくらかを知らない。
いちばん最近の動きとしては、夫が買い物した分の食費の一部を私に支払ってほしいという新たな提案があった。
今まではお金を余分に持っている方が多めに払えばいいというような暗黙の了解があった。
が、時代の変化に合わせて、私が行う家事の総量がじわじわと減っていくのを夫は肌身に感じている。
また、家事量と反比例して私が働く時間が増えていくのを見て、食費の請求を開始したらしい。
住んでいる場所が東京23区というせちがらい環境であることも手伝って、地方出身の私たち夫婦も、地方に住んでいるときとは性格や行動パターンが少しずつ変わってきているようだ。
私のパートの給料は夫の給料の半額にも満たないだろう。
だから生活費の半額負担は自分の首をしめるようなものだとわかっている。
でも、家事の負担を減らしたければ、金銭的な負担を増やさなければならないこともわかっている。
だからじわじわと労働時間を増やして、なるべくたくさんの生活費を払うように努力している。
夫から食費の負担額の増額を提案される前は、家で食べる分の食費は月に5万円くらいだった。
そのうち夫が2万円、私が3万円を支払っていた。
それ以外の夫が自分が食べたくて買い物してくるおかず分や、夫が料理したくて買い物して私にも食べさせてくれる分は、5万円には入っていない。
私の方が1万円多いのは、毎晩夫が何を食べたいかわからず、どうしても食材を多めに買って、結局余りが出るからだ。
夫は食べた分だけ支払えばいいので、無駄がなくて羨ましいと思う。
私はいつも夫優先で献立を考え、食べたくもない余った食材を仕方なく食べて処分する。
つくづく夫はお客さん待遇で、自分は下働きの家政婦のように感じられる。
月5万円の食費以外の食費
・月に2~3回夫婦で飲み食いする外食費/夫の昼食の外食費(牛丼とかチェーン系が多い)/コンビニ昼食(夫が払う)
・私の昼食の弁当代/ときどき外食(私が払う)
私たち夫婦のいちばんの共通の趣味は、飲むことと食べることなので、食費は2人家庭の平均よりは多めかもしれない。
最新の夫婦の食費の払い方
今まで夫がスーパーなどで支払った食費は夫が負担していた。
しかし時代の流れで、夫はそれを不公平だと感じるようになったらしい。
私に一部を負担してほしいと提案してきた。
現実には、私はすべての食事を自分で買い物、調理して準備することができる。
夫に買い物してもらう必要はまったくない。
夫は、仕事が忙しいので、家事の負担を減らすために、夕飯の準備を私にやらせている。
また夫が、毎日夕飯を一緒に、しかも同じものを食べたがるので、私は夫の好みを忖度して、毎日いやいや夕食を準備しているのだ。
本当は、食べたいタイミングで、食べたいものを、自由に一人で食べられたらどんなにいいだろうと思う。
夫の帰宅が遅い日(週2度)には、私は4~5時間も食事を我慢して、夫の帰宅を待たなければならない。
それは私にとってはすごく嫌なことで、「一人で先に食べたい」と言ってみたが、夫は一人で食べるのを極度に嫌がり、不機嫌になられても嫌なのであきらめた。
なんでも夫婦一緒にしたいタイプの人なのだ。
夫というのは面倒臭いものだ。
夫は給料が上がるにしたがってどんどん口が肥えて、最近は刺身などを百貨店で買ってくることが増えた。
「百貨店で買った食材の半額負担なんてできない。半額負担しろと言うなら私は食べなくていい」と言った。
夫は優柔不断でつねにあやふやでわかりにくい。
言葉数も少ないほうだ。
食費の新ルールもあやふやで、結局私は「好きなだけ払えばいい」ということになった。
あまりケチケチするのもイヤなので、自分が好きなものなら1000円、まあまあのものなら400~600円を食べる前に払っている(夫が百均で買ったビンに入れる)。
この夫が導入したシステムは当初、私にとっては金銭的な負担が増えるだけのマイナスルールかと思われた。
ところが実際には、これが画期的な良いシステムだったのだ。
というのは、夫はもともと人のためにサービスするのが好きな性格で、料理も好きなので、料理を作って喜ばれる上にお金がもらえるのが快感らしい。
新システム導入以来、毎日のように自分で献立をいろいろ考えて(私に3択から選ばせたり)、買い物して、調理して、なぜかワンセットみたいに皿洗いもしてくれるようになった(私が嫌がるので以前からやってくれてるけどさらに)。
毎日夕飯を準備している人ならわかると思うが、自分以外の人が食べたい献立を考えるのは至難のわざで、とてもストレスのたまる日課だし、食材の買い物は重くて苦しいし、料理は時間と手間がかかって面倒臭いし、皿洗いはどっさりあって地獄だ。
その負担を1回500~1000円支払うことで肩代わりしてもらえるならば、私は喜んで金を払う。
面倒ごとは金で解決したいほうなのだ。
そんなわけで、画期的な食費と家事負担の逆転現象を体験している。
結局、私の食費は減るだろうと思う。
食材の余り分がなくなるので。