肩凝りとのイタチごっこ
20代の頃から肩凝りが気になって、マッサージや指圧を利用していた。
施術者によって、凝りがとれて肩が軽くなったり、身体が楽になったりする。
でも結局、ほどなくまた肩の凝りがたまってきて、同じことをくり返すことになる。
ずっとフリーターをしているが、結婚した当初働くのをやめて引っ越したとき、2-3か月くらい働かずに家のことをしていたら肩凝りが消えた。
働かないのが一番の治療法かもしれない。
それ以降は多かれ少なかれ働いているので、ずっと肩の凝りを感じている。
技術がすぐれていると思った施術者のところに週1で5か月くらい通ったこともあったが、働きながらだと、重い荷物を持ったり、無理な姿勢を続けたり、神経をすり減らしたり、緊張して身体に無理な力がかかったりで、一瞬ほぐれた身体がまた数日もすると、凝り固まってしまう。
そんな肩凝りとのイタチごっこを現在も続けている。
『はり100本』
『はり100本』の著者である竹村文近氏の名前は、ジャズピアニストの山下洋輔氏のエッセイで知った。
自分もぜひ体験したいと思ったが、竹村先生の鍼灸院は予約でいっぱいで、新規の患者は受け付けていない。
今まで鍼灸院というのは本格的すぎて足が向かなかったけれども、この本を読んで興味がわいた。意識してみれば、どの街にも1軒か2軒は鍼灸院があるようだ。
竹村先生のはりは痛いらしい。
身体の深部(5〜10cm)まで刺し入れて、結合、癒着している組織や線維を切り解いて、身体を動きやすくする。
まるではりで行う外科手術だ。
でも長年たまった身体の凝りというのは症状が深刻なので、本当はそこまでしないと改善しないものなのかもしれない。
はりは深部から身体に働きかけるので、良くも悪くも身体が大きく反応する。一時的に症状が悪化することもある。だから最低限、身体の状態が落ち着くまで、週1で1か月間は通い続けたほうがいいみたいだ。
はり治療は指圧に比べて高額なのでは?と思ったが、私がチェックした池袋の鍼灸院は10分1000円くらいの相場で、指圧やマッサージと比べて割高というわけではない。
1か月間、通い続けられそうなチャンスがあれば行ってみようと思う。
鍼灸院を開くには国家資格が必要だそうで、病院と同じくどこに行っても一定レベル以上の施術を受けられるみたいだ。
はりで治せる症状
竹村先生によれば、はりはどんな病気、症状にも効くようだ。
本書の目次から引用すると・・・
腰痛、ヘルペス、不妊、婦人科疾患、偏頭痛、メニエル病、痔、喘息、アトピー、花粉症、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、円形脱毛症、眼の疾患、顔面神経麻痺、腎疾患、前立腺肥大、糖尿病、痛風、高血圧、骨折、打撲、腱鞘炎、筋肉痛、手術跡の傷、癒着、癌、慢性膵炎
これらへの鍼灸による治療法が本文に事細かに専門用語で書いてある。
まるで魔法使いのようだ。
いかにして魔法使いになったか、ゼロからの修行時代の様子も知ることができる。
鍼灸に少しでも興味があるすべての人におすすめです!
■はり100本 鍼灸で甦る身体 – 竹村 文近(著)