朝、出勤のため駅まで歩いていると、おじさんと白いシーズー犬が前方に見えた。
今まさに用足し終了直後の気配をかもしている。
シーズーはその場に立ちつくしてぼんやりとこっちを見ている。
おじさんはしゃがんで散歩用の袋の中をかきまわしている。
探していたものが見つかったおじさんは、右手につかんでいたシーズーのシッポを上方に高く持ち上げ、ティッシュか何かでシーズーの尻を激しくこすり始めた。
シーズーの後ろ足は宙に浮いているし、お尻はすごく痛そうだしで、目の前で展開された突然の現実に私は衝撃を受けた。
痛さに同情しつつシーズーを見ると、シーズーは最初と同じ何事も起こっていない無表情な顔つきのままだったのでさらに驚いた。
おじさんの必死な態度とシーズーのクールな表情の格差がとてもシュールな朝だった。