ダーニングとは?
ダーニング(darning)という言葉を初めて知ったのは、生活クラブ(生協)が発行している「生活と自治」という雑誌でだった。
生活と自治には田口ランディ氏の連載が毎月掲載されていて、彼女がダーニングにはまっていることについて書いていた。
ダーニングとは、洋服にあいた穴をかがる方法だ。ヨーロッパ式らしい。
日本では洋服などに穴があいたら、あて布を縫いつけて、穴がそれ以上広がらないように補強する。
ダーニングのやり方はぜんぜん違う。
あて布は使用せず、針と糸だけで穴をかがってしまう。
糸を織り物のようにクロス状にかがり合わせることで、穴の上に自家製のあて布を縫い込んで補強する形だ。
日本式との大きな違いは、日本では地の布と同じ色のあて布や糸を使用して修繕するのに対して、ヨーロッパ式のダーニングでは地とは異なる糸をあえて使用する点だ。
今、ダーニングは急速に流行っているのでインターネットで検索すると画像が見られる。
まず靴下をダーニングする人が多い。
ダーニングされた靴下はとてもカラフルで可愛い。
色を自由に選べるので作業も楽しそう。
初めてのダーニング
田口ランディ氏のエッセイを読んだときは「ふ〜ん、そんなやり方があるんだ」という感想だけでおわった。
それから数カ月がたった。
今日は休日なので、ずっと気になっていたズボンの繕いものをしようと思った。
仕事用の黒いズボンの左右のポケットに家のカギやサイフを入れていたら穴が3つもあいてしまったのだ。
最初はあて布を使ってかがろうと思ったが、裁縫箱の中を見ると、1枚も黒い布切れが入っていない。
そこでダーニングのことを思い出して、ヨーロッパ式のかがり方を試してみることにした。
ただし糸は地色と同じ黒糸を使った。
1. 穴の上に糸を平行にわたす。
※少しふわっと糸にゆとりをもたせるほうがいい。きっちりやると仕上がったときにまわりの布地がひきつれる。
2. 次に、最初の糸とクロスするように糸を上下ジグザグに通す。織り物をするかたちで。
※糸をクロスさせるとき、隣同士の糸は上下逆にジグザグに通すほうがしっかり織れる。
※細い糸を使うと、仕上がりがズボンの生地に近くなり目立たない。
私のズボンの穴は上に着ているシャツと仕事用のエプロンで隠れるので、気楽にダーニングできた。
靴下のダーニング
靴下に小さな穴が空いていたのでダーニングした。
今回は赤系の糸を2色使った(↓完成図)。
毛糸の場合は糸の端のコブが抜けやすいので、裏側で糸を輪っかにして結んだり、最後の部分は、他の糸に通して、抜けにくくしてコブを作った。
1. 靴下の裏側で、最後に他の糸に絡めて、抜けにくくする。
2. 他の糸に絡めてコブ結びする。
3. 何度かコブ結びをくり返し、コブを大きくして抜けにくくした。あとは余分な糸を切るだけ。
4. 完成(裏側の様子)