なんとか自分を元気にする方法

変なお客さん(掃除編)

餃子

◎はじめに

試食販売をしているとたまに変なお客さんがやって来る。
いままで多数の変なお客さんをスーパーで目撃したり、接客したりしたが、ついにTHE MOST変なお客さんに遭遇した。
それは掃除をするお客さんだ。

◎餃子の試食販売

週末某スーパーで餃子の試食販売をおこなった。
1日中店頭で餃子を焼くのは大変だが、餃子は美味しくて人気があるので好きな試食販売だ。

たくさんのお客さんが餃子を試食して、なかには何度も試食する人もいる。
肩までの白髪をうしろで一つに束ねたおばあさんもその一人だった。
年齢不詳だが70歳くらいなのだろうか?

「いただきます」
「ごちそうさまでした」

と、とても礼儀正しいのが印象的だった。
そしてマイペースでしっかり3種類の餃子を食べ比べしていく。

『近所のヒマなおばあさんなのかな・・・』と、思いながら流していた。

だんだんお客さんが増えて焼くのが間に合わなくなってきたので、途中から1個の餃子を半分に切ってハーフサイズで試食提供した(数種類食べ比べる人もいるので1人2~3個の餃子では量が多すぎるということもあった)。
おばあさんはハーフサイズのを食べて、「小さいほうがいいね」と感想を述べた。

土曜日は3~4回やって来たのだろうか?

◎2日目

日曜日も同じように餃子の試食販売をした。

昨日のおばあさんは午前中からやって来た。
手に数枚の紙をもっている。

「おはようございます」「油がとぶでしょう」とか言いながら、おもむろに紙で床掃除をはじめた。立ってやる足ぞうきん式だ。

たまたま少し前に自分でも床の油をふいていたので実際にはほとんど汚れていなかったと思う。

「そんなことしなくていいんですよ」
「すみません」
「ありがとうございます」
と、初めてのことでどう対応したらいいのかわからなかった。

おばあさんは「食べさせてもらったから…」と言い訳しながら掃除をして、「完ぺきじゃなくてすみません」と小さな声でつぶやいた。
それからまた餃子をゆっくり食べて、紙を床から回収して立ち去った。

午後も同じように紙をもってやって来て、あたりまえのように「ここかな」とか独り言をつぶやきながら床掃除をして、餃子を食べて立ち去った。

あの紙はスーパーのイートインコーナーの手洗い場に設置してある紙なのかもしれない。
汚れがよく落ちるように少し水で濡らしてあるようだ。

日曜日は4~5回掃除に来てくれただろうか?

最後に「ごちそうさまでした」
「では私は上がらせてもらいます」
と挨拶して帰っていった。

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