心房細動とウルフ-オオツカ法
自分が心臓弁膜症になったので、心臓病についてインターネットで調べたりして勉強した。
手術を受けるために心臓病専門病院に入院すると、同室の患者さん(Kさん)は心房細動という病気だということがわかった。
心臓病とひとくちに言っても、いろんな種類の心臓病があるということが、調べれば調べるほどわかってくる。
たとえば、私の心臓弁膜症は心臓の部品の1つが故障したようなもので、実際に糸を使って切れた部分を縫い合わせる手術となる。
一方、Kさんの心房細動という心臓病は、心臓の電気系統に異常が起こり、心臓のリズムが狂ってしまう病気だ。
入院中にKさんから心房細動について説明を受けたがよくわからなかったので、退院してからKさんが受けた手術について詳しく書かれた本を買って読んでみた。
Kさんの執刀医である大塚俊哉先生の『心臓は”切らない手術”で治しなさい』だ。
大塚先生は「ウルフ-オオツカ法」という心房細動に効果的な手術方法を編み出した人だ。
ちなみに「ウルフ」というのはアメリカ人医師の名字で、大塚先生のアメリカでの師匠のことだ。
「ウルフ-オオツカ法」では、心房細動の患者に対して以下の2種類の手術を施す。
(1)左心耳の切除
左心耳とは、左心房にくっついた袋状の耳のような部分。存在するが無機能。
心房細動の患者にできる血栓の99%は左心耳内にできるという研究もあるそう。
左心耳でできた血栓が脳梗塞の原因となるので、脳梗塞の元を取り除く手術となる。
手術時間は約20分。
手術後は抗凝固剤治療から離脱可能。
(2)心房の壁の外科的アブレーション(焼灼)
異常な電気信号が心臓一帯に広がらないように、心臓の表面をクランプという専用器具で焼いて絶縁体をつくる手術。
クランプはコンピュータ制御されていて、焼く加減を管理してくれるのでミスはない。
手術時間は約1時間10分。
心房細動になる原因は?
・加齢
・遺伝的な背景
・心疾患(狭心症/心筋梗塞/心臓弁膜症/心筋症等)
・そのほかさまさまな病気や生活習慣
心房細動になりやすいタイプは?
・神経が細やかな人
・ストレスを抱えやすい人
心臓病になりやすい人とは?
自分が心臓病になって、「原因はなんだろう」とずっと考え続けた。
主治医は心臓病になった原因は教えてくれなかった(たぶん不明)。
本書には、心臓病全般にかんする記述もあり、参考になった。
たとえば、
心筋梗塞症の発症が多い性格の人は?
・一度に多くのことをやろうとする
・たえず動いていないと安心できない
・いらだちをすぐに言葉や態度にあらわす
・批判的な言動をとりたがる
・爆発的に早口でしゃべる
・食べるスピードが速い
心臓病のリスクが高くなる生活習慣は?
・高血圧
・脂質異常症
・喫煙
・肥満
・糖尿病
結局、自分の心臓病の原因は、遺伝(母親が狭心症)と、神経質でストレスをためやすい性格だと思う。