掃除が嫌い
掃除が苦手で、面倒くさくて、手を抜きたくて、嫌でしかたない。
でも人一倍神経質なので、掃除をしない部屋にいると細かいゴミが目についてしかたない。
掃除をするのもストレスになるし、掃除をしないのもストレスになるという現実。
掃除機で吸えないもの
ある日、飼っているクサガメにエサをあげるとき、うっかりこぼして床にばらまいてしまった。
踏んでこなごなになっては大変なので、すぐに掃除機で吸いとろうとした。
ところが、1粒も吸いとれない。
掃除機にはときどきそんなことがある。
狙っているターゲットの大きなゴミを絶対に拒絶する意味不明な行動。
あとから考えれば充電が切れかけてパワー不足だったのかもしれないが、そのときは本当にイラついて、しかたなくホウキとチリトリで掃除した。
ホウキとチリトリは、畳の部屋で浴衣を着て落語を聞いて暮らす夫の所有物である。
軽くて便利なホウキとチリトリ
ホウキとチリトリで掃除をするなんて何10年ぶりだろう?
床にこぼれたエサは思うがままに一瞬ではきとれた。
めずらしく掃除に快感を感じた。
ちょっと前に読んだ『寂しい生活』の中で、脱電化生活を実践している稲垣えみ子さんが、ホウキの素晴らしさをたたえていた。
そのときは自分には関係ないと思いスルーしてしまったが、実際に使ってみれば、本当にホウキはずぼらな人間にこそおすすめの掃除道具かもしれない。
重い掃除機だと障害物をよけるのに苦労するが、ホウキは軽々と障害物をこえていく。
そもそも重量がほとんどないので掃除機と比べて持ちはこびがラクでしかたない。
昔、学校や職場で使ったホウキはかなり年季が入っていて端が丸くちびていた。だから部屋の隅などは掃除しにくくてもどかしかった。
一方、うちにある夫のホウキは新品同然だ。
新品のホウキは毛がみっしりはえそろっていてとても掃除が気持ちいいのだ。
ホウキではきとれないもの
唯一ホウキが苦手なのは、綿ぼこりの掃除だ。
ホウキではいたり、チリトリにいったん入れても、ふわふわと逃げだしてしまうことがある。
こればかりはしかたないので大目に見る。
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■寂しい生活 – 稲垣 えみ子(東洋経済新報社)