寝つけない夜に暗闇の中でいろいろ考えているうちに、ふと昔のことを思い出した。
20年以上前に結婚したての頃は、今思えば何年間も夫に定職がなかったために、父親が生活の心配をしてときどき仕送りをしてくれたのだった。
もちろん断ったのだが、私の新婚生活がどのようなありさまになるか、父親にはありありと想像できたのだろう。
まあ、その人の職業が何かを聞けば、一般的にだいたいの年収がわかったり、生活レベルがわかったりするものだ。
でも私が20代の頃はとても世間知らずだったので、この結婚相手との生活がどのようなものになるかというのはまったく予想できていなかった。
私の結婚相手はなんと哲学者であったので、父親の憂鬱はどれほど大きかったことだろう?
夫は大学で非常勤講師や塾講師をしていたが、最終的には会社員に落ち着いた。
私の父親は高卒の国家公務員だった。
母親も高卒で、専業主婦をしていた。
子どもは3人いた。
自分の今の暮らしからすれば、子どもが3人いる生活なんて考えられない。
自分1人が稼いで食べていくのだって並大抵ではないのに・・・と思う。
で、どうやって父親は給料をやりくりしていたのだろう?と今、初めて考えた。
家庭によっては子どもが小さいときからしっかりした経済観念を植えつけようと、お金の話を積極的にする親もいる。
だがうちはのんびりした地方の家庭で、実家にいるときに父親が生々しいお金の話をもちだしたことは2度ほどしかなかった(1度目はボーナスの金額の話、2度目は株で儲けがでた話。よほどうれしかったのだろうか?)
私は生まれつき経済観念が欠如していることもあり、具体的な金額を聞いても特別な感慨はわかなかった。
だが現在は、生活が厳しい東京暮らしで、いやおうなしにお金と格闘する毎日を送っている。
それで遅まきながら、実家の父親の経済事情が気になったのだ。
さっそく高卒の国家公務員の年収を調べてみると、意外と高給であることがわかった。
ボーナス込みで最初の18-19歳は259万円。最後の56-59歳は794万円。
これに扶養手当などがさらにいろいろつくらしい。
うちはかなり質素な生活をしていたからすごく貧乏だと思っていた。
給料を見るとイメージとはぜんぜん違った。
これなら父親が何度も私に「公務員になれ」と勧めるはずだと納得がいく。
とりあえず胸のつかえが取れてホッとした。
↓高卒の国家公務員の年収一覧
https://public-allabout.com/kousotsu-nensyu/