ある晩8時ごろ、某スーパーに買い物に行った。
家から徒歩15分ほどの場所にあり近いとはいえないが、鮮魚コーナーの品揃えが魅力的なので月に何度か足をはこぶ。
この日は刺身と島根県産のしじみを買った。
しじみは定価のものと15%引きのものがあり、今夜すぐに食べるからと思って、値引き品のほうを購入した。
「砂抜きして食べてください」とラベルに書いてあったので、ボールに塩水を少し入れてザルをのせ、しじみを重ならないように並べた(ネットに書いてあった砂抜き方法)。
それから冷蔵庫に入れて砂抜きした。
10時半ごろ夫が帰宅したので、しじみを洗って水から煮出し、しじみ汁を作り始めた。
沸騰すると変な臭いがただよってきた。
とっさに『(島根の)宍道湖が汚染されてしまった・・・(ヘドロにまみれてしじみが臭くなった!)』と思った。
『こんなに臭いがきつければ、夫は平気かもしれないが、私は食べれないかもしれない』と不安を感じた。
帰宅後シャワーを浴びていた夫が浴室から出てきて「何この臭い?」といった。
それほどひどい臭いが台所中に立ちこめていたのだ。
「これはダメだから捨てよう。ドブが腐った臭いがする」といわれて、しじみを流しに空けた。
それから家中の窓を開けて、臭いを外に出した。
レジで金額を間違えられるくらいだったらそのまま泣き寝入りすることはよくあるが、買ったものが丸々食べられないというのはひどい。
値引き品とはいえ、スーパーで食べられない食品を売るのはおかしいと思う。
なので、面倒だがレシートと流しに空けたしじみの写真をいちおう撮って、都合がついた3日後の8時ごろにまたスーパーに行った。
レジの高校生の男の子にしじみの件を話し返金してほしい旨を伝えると、「少々お待ちください」といって誰かに確認しにいった。
しばらく待っていると戻ってきて、返金してくれるという。
しかし、返金のレジ操作がうまくいかず、また奥のほうにやり方をききにいった。
今度は上の人と一緒に戻ってきて、やり方をきいて返金してくれた。
上の人は男の子にちょっと説明して奥に戻っていった。
返金したあと、「次回は現物を持ってきてください」といわれた。
たしかに私がウソをいって小金をせしめた可能性も考えられなくもないが、彼らが私と同じ体験をしたらどんな風に感じただろうか?
「しじみの写真を撮ってきました」といったが、それは現物ではないので、関心がないようだった。
腐った商品を販売したのは店側の落ち度だが、上の人も、レジの男の子も、しじみを売った張本人ではないので、悪いとは思っていない様子だ(鮮魚担当者はすでに帰宅したと思われる)。
できればもうこのスーパーは利用したくなく、代わりのスーパーを新たに開拓しようと思った。