PR誌の年間購読
数年前から出版社が毎月発行しているPR誌を年間購読している。
1冊100円程度で、冊子が軽いので携帯に便利。文字数は結構多いので、通勤中に電車で読むのにちょうどいい。
新刊の紹介文、エッセイ、連載コラムなど、最先端の話題が紹介されており、執筆陣は第一線で活躍中の実力者ぞろいで、軽い雑誌のわりに贅沢で重い内容となっている。
最初が朝日新聞社の『一冊の本』で、次が新潮社の『波』、小学館の『本の窓』、講談社の『本』と、欲ばって現在4誌を購読している。すべて年間購読で自宅に郵送してもらっている。
紹介されている本を買うこともあるし、最先端の研究内容の一端を知り、知的好奇心を満足させることもある。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
毎月とても楽しみにしている連載の一つが、『波』でブレイディみかこが書いている「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」だ。
ブレイディ一家はイギリス・ブライトンで生活している。
タイトルの「ぼく」は、みかこさんの中学生の息子さんのことだ。
アイルランド人の父親と日本人の母親とその息子の生活が、「ぼく」の学校生活を中心に書かれている。
日々、多民族の社会で起こる小さなトラブル、感情的なもつれ、その解決策などがていねいに記されていて引き込まれる。
2018年11月号も期待以上に面白い内容だった。
無駄のない文章なので、本当は全文を紹介したいくらいだ。本当は、日本の皆に「ぼくはイエロー」を毎月読んでほしい。異文化の中で生活することについて多くを学べるから。
LGBTQとは?
今回まず引っかかったのが「LGBTQ」という言葉だった。
自分の中の流行り言葉LGBT+Qだ。
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーに、「クエスチョニング」が加わる。
「まだわからない」という選択肢が加わっている。
ほんとに「へぇー」としか言いようがなかった。
いずれ日本にもQが輸入されてくるかもしれない。
タンタンタンゴはパパふたり
もう一つ驚かされたのが、イギリスにLGBTを扱った子供用の絵本があるということだ。
それが邦訳で『タンタンタンゴはパパふたり』(ジャスティン・リチャードソン著)。
原題は”And Tango Makes Three”。
動物園のペンギンのオス同士がカップルになり、タンゴという赤ちゃんペンギンを2羽で育てる話らしい。
同性カップルが飼育係に自然に受け入れられ、サポートされる様子が、みかこさんの文章から立ちのぼってきて、絵本を読んでいないのに心があたたかくなった。
「読みたい!」と思い、さっそくAmazonで購入した。
Amazonのレビューにあったが、確かに絵本が王子さまとお姫さまの話ばかりだと、LGBTの生き方が「間違い」になってしまう。
子供の頃の刷り込みは強力だから、そのころから大人側の配慮が必要になる。
ブレイディみかこさんのおかげでまた新しい視点から世界を眺められるようになった。感謝しています。
『タンタンタンゴはパパふたり』のAmazon商品ページ(単行本)
『タンタンタンゴはパパふたり』のAmazon商品ページ(単行本)
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