妖怪について熱く語るお客さん
投稿日:2020年2月28日 更新日:
某スーパーで試食販売をしていた。
ちょっと離れた場所には別の試食販売員がいた。
互いの販売場所が近いので、しかもこのおばさんは明るくてとても性格がいい人だったので、ときどきおしゃべりして仲良くなった。
販売終了時間が近づいて少しだれていた頃、ひとりのお客さんが販売員のおばさんになにかを熱心に話し聞かせているのが聞こえてきた。
お客さんは白髪のおばあさんなのだが、日本昔ばなしかなにか、不思議な生きものが登場する物語のストーリーを販売員のおばさんに勢い込んで説明している。
その本がいかに面白いかを相手に伝えたいらしい。
「図書館でも借りれるから!」と強くオススメしていた。
断片的に聞こえたおばあさんの話は魅力的な響きで、その本を読んでみたくなった。
2人に近づいて、「面白そうだけど、なんの話ですか? 日本昔ばなしですか?」と、会話に割り込むと、「妖怪」だとお客さんは言った。
「面白そうなので読んでみたいのですが、なんて調べたら出てきますか?」と聞くと、「畠中恵」と。
「あー、知ってます! どの本ですか?」
「しゃばけ」と。
一方的に妖怪話を聞かされていた方のおばさんは、「へーっ、知ってるの? すごいね」って言ってたけど、畠中恵の『しゃばけ』は超人気シリーズ・・・
でもおばあさんをそんなに熱くさせるほど面白いとは・・・
出版社の広告でいくら「売れてる」といわれても響かないけど、やはりリアルな人間の口コミには迫力があった。
とはいえ、スーパーで妖怪について熱く語るおばあさんというのは、なんだかシュールだ・・・
■しゃばけ /しゃばけシリーズ 1 – 畠中 恵 (新潮文庫)
執筆者:椎名のらねこ
関連記事
-
-
声と姿勢が悪い アレクサンダー・テクニークという姿勢矯正メソッドに関する本を2冊読んだ。 アレクサンダー・テクニークのユニークな点は音楽関係者(声楽家/演奏家)にも幅広く活用されているところだ。 私自 …
-
-
いとうせいこうとみうらじゅんが一緒に仏像を見に行く人気シリーズの第1冊目。 私は『海外編』を最初に読んで、面白かったのでシリーズの原点である1冊目に戻ってきた。 ちなみに仏教とか、仏像にはそれほど興味 …
-
-
脳を休ませる鼻呼吸 『1分間どこでもマインドフルネス』の副題は「ストレスと疲れがみるみる消える!」だ。 いつもストレスをためこみがちで、緊張症で疲れている私は、藁をもつかむ気持ちですぐにこの手の本に食 …
-
-
(※ネタバレありです) 物語の舞台 前知識なしに読み始めた。 物語の舞台になるのは・・・・鎌倉扇ガ谷(おうぎがやつ)の自宅・葉山の一色海岸沿いにある月川クリニック(職場)・渋谷の「アンジー」という名の …
- PREV
- ユダヤ人を知るためのおすすめ本
- NEXT
- 聖なるズー/濱野ちひろ