なんとか自分を元気にする方法

コロナで生活が楽になったような、苦しくなったような

LGBTQ+

『同性婚』by南和行

投稿日:2018年10月31日 更新日:

『愛と法』

映画『愛と法』を見に、渋谷のユーロスペースに行った。

上映前にチラシを見ていると、『愛と法』の主人公の一人、南和行が『同性婚』という、この映画の内容とかぶる本を出版していることがわかった。

同性婚に興味があるので、読んでみたいと思った。

『同性婚 私たち弁護士夫夫(ふうふ)です』の内容

『愛と法』の映画とかぶる部分はあるが、やはり違うと思った。

映画のほうがLGBTへの入門編で、『同性婚』のほうが実践編だと思う。

残念ながら、私はLGBTにあたらないので、『愛と法』のほうが馴染みやすかった。

実際に、LGBTを生きている人のために、『同性婚』は書かれている。

二人の人生に危機が訪れたとき(老い/病気)、そのときにこの本を読むのでは遅すぎる。

どちらかが危機的な状況におちいったとき、同性カップルの前には法の高い壁が立ちふさがり、双方の家族や関係者によって、二人は永遠に引き裂かれる可能性がある。

その瞬間を危惧して、二人が離ればなれにならないように、前もって十分な手段(公証人役場で公証人のもとで「任意後見契約」を作成すること)を講じるために、この本は書かれた。

異性カップルなら努力しなくても実現する生涯が、同性カップルにはやすやすとは実現できない。

今の現状ではそれが現実で、その窮屈な世界の範囲内で可能なかぎり自分たちの求める幸せを実現するための必要最小限の手段が、『同性婚』に記されている。

ロマンチックな要素は一片もなく、法律的な手続きの数々が連ねてある。

著者は大変めずらしいLGBTの弁護士なのだ。

LGBTの弁護士でなければ、誰がこんな親切な本を書いてくれるだろうか?

南和行氏は、現実にこの日本で同性婚を実現した勇気ある人間なのだ。

同性婚なんて、気にならない人にはなんでもない。
なんで正式にできないのか理解できない事柄である。

早く『同性婚』に書かれていることが時代遅れになって、この本が絶版になる時代が来てほしい。

『同性婚 私たち弁護士夫夫(ふうふ)です』のAmazon商品ページ(Kindle版)

『同性婚 私たち弁護士夫夫(ふうふ)です』のAmazon商品ページ(新書版)

-LGBTQ+,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

三味線ざんまい

三味線ざんまい/群ようこ

群ようこが三味線を習っていたとは知らなかった。 この三味線のレッスンがとても難しく大変そうだ。三味線は弦がたった3本しかないにもかかわらず。 私は飽きっぽく根気がないので楽器類の習得は最初からあきらめ …

LGBTQとは?

PR誌の年間購読 数年前から出版社が毎月発行しているPR誌を年間購読している。 1冊100円程度で、冊子が軽いので携帯に便利。文字数は結構多いので、通勤中に電車で読むのにちょうどいい。 新刊の紹介文、 …

天安門事件と心筋梗塞の話

水上勉著『心筋梗塞の前後』 ◎はじめに 1994年に出版された古い本ではあるが、いま読んでも面白い。 内容は、1989年6月4日に中国で起きた天安門事件と、その直後に水上氏に起きた心筋梗塞についてなの …

ポバティー・サファリ/ダレン・マクガーヴェイ

『ポバティー・サファリ イギリス最下層の怒り』(ダレン・マクガーヴェイ著) (※ネタバレありです) 労働者階級が書いた本を読みたい イギリス研究がマイブームなので、関連本を読んだり、映画を見たりしてい …

シェトランド四重奏/アン・クリーヴス

シェトランド諸島を舞台にした小説 「シェトランド四重奏」は、イギリス人作家アン・クリーヴスがイギリス・スコットランドの北に位置するシェトランド諸島を舞台にして書いた小説だ。 シェトランドといえばシェト …