なんとか自分を元気にする方法

コロナで生活が楽になったような、苦しくなったような

MyBestリアルにこわい本

投稿日:

※随時更新中

◎人間が物理的に壊れていく様子を描いたリアルにこわい本

【1位】『朽ちていった命:被曝治療83日間の記録』NHK「東海村臨界事故」取材班(著)

人間の皮膚が再生できなくなると中身が露出されたまま生きることになる。1999年に東海村臨界事故で放射線を浴びた作業者の肉体がどのように朽ちていったかを記録したこわい本。そうなった自分を想像するとおそろしい。

【2位】『はだしのゲン』中沢啓治(著)

原子爆弾が落ちて日常世界が地獄と化し、人間が壊れかけたまま生きていく様子が描かれているこわい本。人間の体からウジがどんどんわいてくる場面がいちばん気持ち悪かった。漫画で描かれたものを小学生の時に読んだのはキツかった。今でもときどき思い出してしまう。

◎国家(公務員)に国民(個人)がハメられるこわい本

【3位】『殺人犯はそこにいる』清水潔(著)

組織のミスを隠ぺいするために殺人犯を野放しにする警察というのは何モノなのか? 北関東連続幼女誘拐殺人事件の真相を追及した著者は真犯人を特定するにいたるが警察は動かない。現在も野放し継続中のこわい話。

【4位】『国家の罠-外務省のラスプーチンと呼ばれて』佐藤優(著)

個人と国家が闘ったら、個人が負けるに決まってる。しかも著者は当時国のために熱心に仕事をしていただけなのだ。国が何らかの都合で「こいつを有罪にする」と決めたら嘘でもどんな手段でもつかって有罪にする。国家にハメられたリアルな体験が詳述されたこわい本。

【5位】『絶望の裁判所』

裁判所が、憲法の人権よりも国家権力の意向を忖度するという本末転倒がもうすでに常識になっている。この本が書かれた頃からその傾向があり、現在はもっとひどくなっている。個人の人権を守ろうとする裁判官は今の裁判所では落第生なのだ。司法に対する信頼が崩れるこわい本。

◎自然(動物)に破壊される人間を描いたこわい本

【6位】『羆嵐』吉村昭(著)

実際に起こった「三毛別羆事件」(さんけべつひぐまじけん)を小説化した作品。体重300キロ以上ある巨大クマが集落を襲い、7人が犠牲になった事件の詳細が生々しく描かれているこわい本。

-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

身体感覚を取り戻す/斎藤孝

日本人の身体は存在感を失った? 日本人の身体が特にここ50年で(2000年時点)悪い方向に大きく変わってきたことが説明されている。 確かに現代の日本人の身体は、着せ替え用のマネキン程度の存在感しか示す …

ロシアについて

ロシアについて/司馬遼太郎

『ロシアについて』を読むと意外な点が多々あった。 まず「ロシア人によるロシア国は、きわめて若い歴史をもっている」と書かれている。 ロシア国家の決定的な成立は、わずか十五、六世紀にすぎないのです。若いぶ …

道化の館

道化の館/タナ・フレンチ

(※ネタバレありです) アイルランドのミステリー小説 『道化の館(上・下)』にはアイルランドの架空の村「グレンスキー」を舞台に起きた殺人事件が描かれている。 グレンスキーは小さな村で、地元の警察は頼り …

よろこびの日

ユダヤ人を知るためのおすすめ本

英国におけるユダヤ人差別 『オーウェル評論集』ジョージ・オーウェル著(岩波文庫) オーウェルは大変率直な人だ。「英国におけるユダヤ人差別」などという誰もが避けて通りたいテーマでも自分が見聞きしたユダヤ …

作家志望者が登場する小説2作

(※ネタバレありです) 1. 念入りに殺された男/エルザ・マルポ 著者のエルザ・マルポはは1975年フランスのアンスニ生まれ、ナント育ち。 小説の舞台は前半はフランス北西部のナントの村、後半はパリ。 …