なんとか自分を元気にする方法

コロナで生活が楽になったような、苦しくなったような

漫画

『傘寿まり子』 byおざわゆき

投稿日:2018年1月30日 更新日:

◎まえがき

先日メトロ車内で漫画の『傘寿まり子』の広告を見て、おばあさんはもちろん猫が気になって、近所のツタヤにレンタルに行きました。コミックコーナーを利用するようになったのはごく最近なので、かなりスペースが狭いにもかかわらずなかなか読みたい漫画を探しだすことができません。どうしても店員さんに場所をきく勇気がでなくて、よくあきらめて帰ります。傘寿まり子も(私にとっては)思わぬ場所にあって、他の漫画をさがしているときに偶然発見できました。

◎あらすじ

ストーリーは、(ネタバレありですが)主人公の80歳のおばあさん(小説家)が4世代住宅から家出して、初めてネットカフェに足を踏み入れたり、家さがしをしたり、猫と出会ったり、恋人ができて同棲したり、初めてパソコンでオンラインゲームをしたり、仮想世界で同世代の友だちを見つけたり、その人とリアルで会ってみたり…という、現代の超高齢社会にふさわしい冒険譚です。
いま4巻まで読んだのですが、今後もネット世界の方向にぐいぐい舵取りしそうな気配なので楽しみです。

◎2/27追記

『傘寿まり子』5巻を読みました。
(ネタバレありです)まり子がウェブ文芸誌の創刊にむけてどんどん活動するので、こっちもその動きを追っているうちに、あっという間に最後まで読み終えてしまいました。
登場人物が高齢者ばかりでは話にキレがなくなるので、新兵器のマルチクリエイター/ウェブマガジンの編集長が降臨です。
若手のアドバイスを糧に、まり子は壮大な夢を実現できるのでしょうか?

◎リアルまり子

私がスーパーの仕事の最中に会って話をする80代、90代のお客さんの中には、やはり「ミラクル」としか思えない元気な方々がときどきいます。背中がまっすぐで頭もしゃっきり。立派に一人暮らしをしています。コーラスなど趣味の活動をしていたりもします。

「私は83歳まで仕事をしてたんですよ」と話してくれた女性がいました。仕事内容は別の高齢者の話し相手です。ついに雇い主が亡くなって無職になってしまったそうです。

べつの妙に艶っぽい高齢女性。
試食を食べて、「働けるうちが花よ~」と話しかけてくれました。「消費期限ぎれになったら悲惨よ。やることがなくて毎日散歩に行って・・・」
80歳だそうですが、ほんとにきれいで、肌にはりがあってつやつや。とても80歳とは思えない。不思議な色気がある。
作家の宇野千代さんが恋多き女でかなり高齢になってからも著名人と浮名を流していたと聞いて「そんなこと可能?」と思っていたけれども、このお客さんに会って「80歳でも女の気配を維持して発散できる人がいるんだ・・・」とようやく納得できた気持ちです。

ずっと仕事をしていた女性は元気です。仕事は元気のバロメーターだと思います。そして退職後も元気でいつづけるために、あえて毎日歩いてスーパーまで行き、販売員とちょっとおしゃべりして自分に刺激をあたえて帰るのです。

毎日スポーツジムで体を動かして近くのスーパーに立ち寄って帰るのが日課という80代の女性もいます。

「こんなふうに自分も年をとりたい!」と思わされるお手本のような人たちです。

ミラクルな高齢者の割合は当然少ないけれども、傘寿まり子もその1人なのかな~と実体験を重ね合わせながら読むと楽しさがアップしました。

『傘寿まり子』を機会があれば読んでみてください。

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椎名のらねこ

コロナで仕事がなくなり、現在は徒歩圏内の小売店でパートしてます。自分の気晴らしに、読んだ本、美味しかったものなどについて昭和的なセンスで記事を書いています。東京在住。既婚/子なし。

お問い合わせ先:siinanoraneko@gmail.com