『ホモ無職、家を買う』を読んだ
投稿日:2020年6月23日 更新日:
(※ネタバレありです)
『世界一周ホモのたび(全5巻)』に続いて、サムソン高橋氏&熊田プウ助氏コンビによる漫画『ホモ無職、家を買う』をアマゾンで購入して一気読みした。
結局、6冊ともぜんぶ一気読みしちゃったな。
読みやすいし、面白くて止まらなくなるのだ。
『ホモのたび』は世界ハッテン場紀行で、『家を買う』は、サムソン氏が北区に一戸建ての中古住宅を800万円+αで衝動買いする話。
「無職」と「家を買う」は矛盾しているが、サムソン氏は24歳から37歳まではホモ雑誌の編集プロダクションで働いていた。
辞めた時点で1400万円の貯金があった。
その後10年間はバイトと節約生活で貯金を切り崩して生活していた。
47歳の時点で貯金は900万円あったので、800万円+αの家を買うことができた。
サムソン氏はお金を使わない人で、プロダクションを辞めてからは週5000円の生活費で自炊などしながらやりくりしていたという。
東京でもそんな暮らしができるなんて!!
家を買うプロセスそのものはとてもシンプルで、どちらかといえばサムソン氏のこれまでのホモ人生の歩みがメインで描かれている。
それはそれで『ホモのたび』には描かれてなかった内容なので「へぇー、そうだったんだ」と知識が増える。
そして、家を購入したあとのリフォームのくだりがまた読みどころとなっている。
サムソン氏はもともとDIYが得意な人というわけではなく、予算の都合でDIYを強いられた人なのだった。
でも日雇いの建設現場での経験をフル活用して、中古家のリフォーム中に大工仕事の能力を開花させるのだった。
またリフォームにはまっていくうちに、自分の中の少女趣味があふれ出て、おうちが素敵に生まれ変わっていくくだりも面白い。
そして最後に能町みね子氏との偽装結婚が紹介されてグランドフィナーレとなる。
私としては、そもそも能町氏の『結婚の奴』からサムソンの旅を始めているので、軌跡が一周りして環になった完結感があった。
結局、サムソン氏と能町氏の結婚も、私と夫の結婚もなにも実情は変わらない。
他人同士の共同生活だ。
これは犬を1匹飼ってるのも同じかもしれないが、家に自分以外のだれかがいると、身だしなみに気をつかうし、食事の内容も改善されるし、掃除もするし、一人暮らしよりもなにやら健康的な生活ができる実感がある。
だから「こいつムカつく、別居してやる!」と何十回も思ったが、いまだに踏みとどまっている。
「結婚=男女」の枠に風穴を開けた彼らは時代の先端を走っている。
『ホモ無職、家を買う』のAmazon商品ページ(Kindle版)
『ホモ無職、家を買う』のAmazon商品ページ(コミック紙版)
執筆者:椎名のらねこ
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