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試食販売

福の神、あらわる

投稿日:2019年3月8日 更新日:

高級スーパーで試食販売

某高級スーパーでスープの試飲販売をしていた。

高級スーパーはどこもそうだが、一般のスーパーよりもやはり客数は少ない。

この店舗も開店から出足が遅かった。

お客さんが少ないと、当然試飲してくれる人数が減る。

試飲人数が少ないと、どうしても販売数が減る。

とくに最近は、みなさんの財布のひもはコブ結びかと思われるほど、モノ全般を買っていただくのが難しい。

いまどきは、特売品だからといっても、安易に購入しない。

モノを手にとって、金額と重量などをじっくり比較・検討したのち、商品を元に戻して立ち去る人がどれほど多いことか・・

節約志向と、諦めるのがうまくなったのと、余分なモノを持とうとしない、モノが無くても我慢できるようになった最近のお客さん。

お客さんの控えめな購買行動を見ているとイライラすることもあるけれど、よく考えてみれば、自分も客の立場のときには同じように行動してる。
だから『仕方ないなー』と思う。

とはいえ、最初に試飲してくれた人が商品を2個買ってくれたり、3番目に試飲してくれた人がまた買ってくれたりと、午前中は予想よりも動きが良くてうれしかった。

福の神、あらわる

ところが、昼休憩後は一転して鳴かず飛ばず。

お客さんは午前中より増えているにもかかわらず、ほとんど試飲してもらえないし、2時間ぐらい1個も売れなかった。

こんなに売れないのも珍しい。
とくに午前中の流れからすればあまりに不自然だ。

かなり諦め気味になりつつ立っていると、中高年の眼鏡をかけた女性が近づいてきた。

「ぜんぜん飲んでくれないね」と、ずっと私を観察していたかのようなことをいう。

私はこの女性のことは、話かけられて初めて気づいた。

彼女はスープを試飲して「おいしい」といって1個買ってくれた。

この女性につられたかのように、ほかのお客さんも何人か試飲して買ってくれた。

それから少しの間はステージが変わったかのように女性客が次々に試飲してくれて、あっという間に5個売れた。

最初の眼鏡をかけた女性がまた近くを通りすがりに、「売れてよかったね」みたいなことをいった。

私は「お客さんがきっかけになって流れが変わったみたいです」といった。

彼女は「福の神かな」とつぶやいた。

これまでにも試食販売中にいきなり見知らぬ人(お客さん、店員、営業の人、同業者、その他)から親切にしてもらったり、助けてもらったりすることがあって、『神様って、人間の姿をしているのかも?』と、思ったことが何度かあったが、自分から神様をカミングアウトした人は彼女が初めてで、なんだかおかしくてしかたなかった。

その後も商品はポツポツ売れて、予想したよりも数多く販売することができた。

福の神様、ありがとう!

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