人としゃべるのが苦手
投稿日:2022年11月21日 更新日:
母親が毒親で子どもの頃から何かしゃべると人格を全否定されてきた。
母親との相性の問題で、今でも私たちは価値観が真逆なのだ。
母親は古来よりの伝統的な生き方が好き。男尊女卑。新興宗教の信者。
私は新しい生き方が好き。多様性を重視。人生の選択肢は多ければ多い方がいいと思う。
私は無口な人間として成長した。
人の話を聞くのは好きだけど、自分のことを話すのは苦手。
たとえば毒親に育てられて暗い性格になってしまったことなど、毒親以外の親に育てられた人に話すけれども絶対に理解されない。
大人になってすら、語る内容を全否定される経験を再びしなければならない。
私が勤める職場の人たちには、おしゃべりな人が多い。
若い男性社員たち(20代〜30代)も、スキあらば気晴らしを求めて(?)パートのおばさんたちと世間話を楽しむ。
何がそんなに楽しいのか、なんでそんなにおしゃべりしたいのか、私には理解できない。
私はしゃべるとミスが増えるタイプなので、仕事中は極力おしゃべりをひかえて、作業に集中するようにしている。
仕事自体が楽しいので、特にそれ以外のことをしたいとは思わない。
朝から夕方まで働く日は1時間の昼休憩がある。
職場の休憩室はとても狭い。
もともと田舎者で密が苦手なので、歩いて広い公園まで行ってお弁当を食べたり、できるだけ広めの店で外食したりする。
今日も外食して、残りの休憩時間は商店街を散歩して時間つぶしをした。
休憩終了の10分前くらいに休憩室に戻って、残りの時間はイスに座ってスマホを見たりしていた。
パートのおばさんAと若い男性社員B、Cの2人もイスに座って休憩したり、事務作業をしたりしていた。
イスはロの字に置かれて皆中央に向く形で配置されている(各席に透明の仕切りがある)。
パートの40代後半の女性Aは開店以来のベテランさんで、30代前半の男性社員Bとはウマが合って仲がいい。
男性社員Bは書類整理をしながらぺちゃくちゃとおしゃべりをはじめた。
その隣りで休憩をとっていた20代の男性社員Cも会話に加わり、あいづちを打ったり、共通の社員の話で盛り上がったりした。
狭い休憩室には私を含めて4人しかおらず、私以外の3人は共通の話題でかなり盛り上がっている。
私は話に入っていけず、あいづちも打てず、スマホでひたすら自分の用事をすませていた。
3人からどう思われているか考えるとこわい。
私が無駄話をせず、ほとんど誰ともしゃべらないことは、パートAさんも、30代の社員Bもわかっているとは思うけど。
今日はおしゃべりにかんしてもう1つ悲しい出来事があった。
この春大学を卒業してバイトをやめた男子学生Dが、久しぶりに店に買い物にきたのだ。
私のレジが空いていたので来るかと思ったら、接客中のパートAさんのレジに並んだので『私は避けられている』と思った。
まあ、ちょっと変な人、困った人だと、彼には思われている自信がある(一緒に働いていたときときどきしゃべったから変な性格がバレている)。
確かに私は極力他人との交流やおしゃべりを避けている。
他人もその嫌厭の空気を察知して、私に近づかないようにするみたいだ(逆に気をつかって?)。
でも『私は好きでこんな人間になったわけではないのに』と悲しくなる。
孤独を運命づけられているように感じるのだ。
それを実感させられる機会が1日に2度も訪れて、今日は珍しく泣きそうになった。
執筆者:椎名のらねこ
関連記事
-
家事=女の仕事と思い込まない 地方の古風な家庭に育ったので、母親は専業主婦をして夫を支えるのが当たり前だった。 母親は、娘たちも同じ生き方をすることを望んでいた。 「女に学問はいらない」とよく言われた …
-
家事ロボットの役にウンザリ もう何年も前から続いているが、22:30ごろ夫が仕事から帰宅して、夜遅いので急いで料理を作り始める。 理想としては下準備はそれまでに済ませている。けど、時間がなくて下準備も …
-
コロナ下おうちでキャンプ インドア派なのに突然テントで寝てみたくなりアマゾンで買った。 説明書がついてなくて自分では組み立てられず、夫に組み立ててもらった。 夫はテントを組み立てたにもかかわらず、突然 …
-
『聖なるズー』濱野ちひろ著 (※ネタバレありです) 『聖なるズー』は、そんなにいかがわしさはなく、むしろ読んでいくうちに心が静まっていくような本だった。 ドイツで取材される「ズー」と呼ばれる登場人物た …
- PREV
- イグアナと触れあう夢
- NEXT
- ふる井/練馬