タイミーで働いた
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タイミーって何?
スキマ時間にバイトを入れて手軽に金を稼げるタイミーは素敵だ。
タイミーというワードを初めて見たのは職場の休憩室だった。
休憩室の従業員用の棚が並んでいる一番上に箱が置いてあり、その箱の側面に「タイミー」とマジックで書かれていた。
ずっと『タイミーって何?』と思いながら箱を眺めていた。
その後、2度ばかり「タイミー」に会う機会があった。
店長?が、店のレジ係にタイミーを起用したのだ。
そこでやっと「タイミー」は人間なのだとわかった。
しかも非常に便利な人間なのだと。
しかし、タイミーの起用は長くは続かなかった。
私の勤務先ではなくチェーンの他店で「タイミー」が売上げを盗んだというのだ。
それでタイミーの起用はできなくなった。
タイミーで働いた
その事件から1年以上たって、私は今の職場でのストレスを解消するためにタイミーに登録し、仕事を物色し始めた。
なじみの職場よりも目先の変わった新しい職場にときめくタイプなので、タイミーはとても魅力的なツールだった。
が、実際に仕事さがしをしてみると、自分ができる仕事の数がとても少ない。
タイミーでは、当たり前なのかもしれないが、初めての仕事場に行ってすぐに求められる仕事をしなければならない。
研修などはなしにだ。
だから募集の時点で、その職種の経験者が求められる。
私が過去にじゅうぶん経験した仕事のナンバーワンは飲食店だ。
だからいちばんできそうなのはホール係か洗い場か。
ただし、現在の勤務先にタイミーをしていることを絶対にバレたくないと思うと、不特定多数の人に顔をさらさなければならないホール係は避けたくなる。
それで洗い場専門の仕事をさがした。
しかし洗い場専門のタイミーの仕事はほとんど募集がないことがわかった。
「バッシング」というテーブルから食器を下げる作業とセットになっていることが多い。
バッシングもホールに出て働かなければならないので、できれば避けたいと思った。
唯一条件に合ったのが介護施設での洗い場専門の仕事だった。
それでこの案件に応募し、当日働くことになった。
最初にいちばん困ったのは、勤務先の入り口がとてもわかりづらかったことだ。
タイミーのアプリの画面で説明されていた建物の裏手にあるインターホンが壊れているのか、向こう側に誰もいないのか、無反応だ。
勤務時間は迫っているし、どうしようもないので、緊急連絡先に電話した。
そしたら勤務先である厨房の人とつながって、ぜんぜん違う入り口を説明された。
その勤務先はその後募集がないが、とてもゆるくて優しくて働きやすい職場だった。
作業が予定よりも30分くらい早く終わったので、スタッフから「終業時間まで裏のイスに座ってスマホを見たりしてていいですよ」といわれたが、私は「時間潰し」が苦手なので「もうこのまま早めに帰ってもいいですか?」ときいてみた。
スタッフは「バイト代が少なくなりますが…」と心配しつつもOKしてくれた。
しかしアプリ上で予定よりも早めにチェックアウトしようとするとエラーが出る。
それを調節する方法があるらしく、スタッフが親切に教えてくれて、無事希望どおり早退することができた。
初めてのタイミーは大成功でとても楽しかった。
タイミーで働けない仕事
タイミーで今まで経験したことのないあらゆる仕事を体験できれば愉快だが、現実にはそれは無理だ。
ほとんどの募集案件が、経験者とか、有資格者を求めているからだ。
たとえば、興味がありやってみたいと思ったのが介護関係の仕事。
だが介護職は当然ながら資格が求められる。
「介護職員初任者研修」だ。
かつては「ホームヘルパー2級養成講座」といったらしい。
おっちょこちょいな私は、タイミーで介護職を体験したいがために「介護職員初任者研修」を本気で受講しようかと考えた。
そして「介護職員初任者研修」の資料もインターネットでまとめて取り寄せた。
その結果、この資格を取るには受講料が10万円近くかかり、毎日フルタイムで受講しても最短1か月、パートタイムで受講すれば3~4か月かかることがわかった。
というか、今のとおり働きながら介護職員初任者研修の資格を取ることは不可能だと知った。
受講料は、受講後介護職に就けば免除されるらしいが、私にはそんな気はさらさらないので当てはまらない。
少し『介護の勉強をしておけば、いつか親の介護をするときに役に立つかもしれない』という期待もあったけど、そんなフワッとした気持ちではとても介護職員初任者研修は受けられないのだ。
そこでタイミーの介護職はあきらめて、コンビニで経験者になることにした。
タイミーではコンビニのバイトの募集も多い。
が、これも当然ながら経験者限定だ。
しかし、コンビニなら私でも比較的かんたんに経験を積むことができるだろう。
しかも給料をもらいながらだ。
タイミーの募集ではコンビニ経験は長くて半年分くらいあればいいようだ。
それで本当に、まずはタイミーではなく普通にコンビニバイトに応募し、面接に行って、採用された。
執筆者:椎名のらねこ
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