ジゴロとジゴレット
投稿日:2019年6月23日 更新日:
昼休憩に駅前でランチして、昔ながらの小さな本屋に入った。昔ながらの小さな本屋は絶滅危惧種なので、本好きとしては見かけると入らずにはいられない。
すぐ右手にカウンターとレジがあり、ヒト癖ありそうな70代くらいの男性がすわっている。やる気のなさを態度で示そうとしているのか、カウンターに頬杖をついてだらけた格好をしている。
本屋を応援したいので、なにか気に入った本があれば買おうと思った。文庫の棚とか、単行本の棚とかを手早く眺めた。
モームのあまり見かけない文庫が棚に並んでいるのが目についた。『ジゴロとジゴレット』という挑戦的なタイトル。
今は個人的に英国ブームがきているので、モームを再読したいとちょうど思っていた。それで『ジゴロとジゴレット』を買った。
いつの間にか小さな本屋にはもう一人同世代の女性客がいて、彼女も私が本を選んでいる間になにかを購入していた。
店主は立て続けに本がうれて喜んだだろうか? これが近所の本屋なら欲しい本を取り寄せて、Amazonで買うかわりに継続的に利用できるのに、と残念に思う。
家の近くには本屋がない。
昔ながらの小さな本屋がある街をいつも羨ましく思う。
夜、帰宅して文庫の帯を見ると、『ジゴロとジゴレット』は新潮文庫のStar Classics 名作新訳コレクションの一冊らしい。とはいっても、平成27年9月発行。
同シリーズでは同じく英国文学の『フランケンシュタイン』(M・シェリー著)も買って読みたいと思う。できれば昔ながらの小さな本屋で。
新潮文庫なら脈があるかもしれない。
執筆者:椎名のらねこ
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