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試食販売

誰にでもタメ口で話しかける人

投稿日:2020年1月3日 更新日:

誰にでもタメ口で話しかける女の子

大学4年生のとき本屋でアルバイトをしていた。

その店のバイトに、どんな年配の社員にでもタメ口で話しかける2歳下の女の子がいた。

「敬語をつかわない変わった人だな」と、不思議な気持ちがした。
「勇気があるな」ともちょっと思った。

それ以来、誰にでもタメ口で話しかける人には出会わなかった。

マネキンはなれなれしい!?

20年以上話は飛ぶが、何年か前にマネキン(試食販売員)の仕事をはじめた。

年齢、自社他社を問わず、マネキンには会った瞬間から友だちのようにタメ口で話しかけてくる人が多い。

そのせいか、百貨店で試食販売するときに「お客様にあまりくだけた口調で話しかけないように」と前もって注意をうけたことがある。

そのときは「そんなの当たり前じゃん」と思った。

さらに歳月が過ぎ、私はすっかりマネキンの仕事になれてしまった。

その間ゆうに10万人以上のお客さんに試食をすすめたと思う。

結果、人間を見る目が変わった。

もともと人間が苦手で他人に対して漠然と恐怖心をいだいていた。

自分以外の人間が何を考えているか分からないからだ。

しかし10万人以上の多様なお客さんに接して「皆んな、たいして何も考えていない」ということが分かってきた。

しょせんスーパーでの買い物中の接触だから「今日の夕食は何にするか?」とか、「(チラシを片手に)特売の商品はどこにあるか?」とか、「早く買い物をすませて○○をしなければ!」とか、そんな感じだ。

つまり私も他の人もそれほど変わらないという・・・

とにかくそんなわけでだんだんお客さんが恐くなくなり、ふと気づくと年上のお客さんにでもなれなれしくタメ口で話しかける自分がいた。

たとえば・・・

「ねーねー、こっちもおいしいよ! 食べて食べて!」みたいな。

もう理屈じゃなく、ハッと気づいたときには終わってて、タメ口で話しかけた後なのだ。

この人格の変化には自分でも驚いた。

もう本屋の女の子の態度が不思議じゃない。

お客さんだけでなく、会う人誰にでもタメ口で話しかける人にどんどんなっている最中だ。

-試食販売

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椎名のらねこ

コロナで仕事がなくなり、現在は徒歩圏内の小売店でパートしてます。自分の気晴らしに、読んだ本、美味しかったものなどについて昭和的なセンスで記事を書いています。東京在住。既婚/子なし。