夫が家事をしてくれるようになった(3)
投稿日:2022年5月26日 更新日:
昨年、私は病院で「僧帽弁閉鎖不全症」と診断され、先月4/8に手術を受けた。
心臓の手術ということで死の影も頭をちらついた。
夫は無口なので言葉には出さないが、手術が無事終わるまではずいぶん心配したことだろう。
4/16の退院直後は私もまだ歩くリハビリを継続していたし、体調が万全とはいえなかったので、食料品の買い出し、食事の準備、後かたづけ、洗濯、ゴミ捨てという日常生活に欠かせない家事を夫が一手に引き受けてくれた。
私はゆっくりやれば家事をこなせる状態だったので「やる」といったが、やらせてくれなかった。
10日間の入院中はやることが何もなかった。
ヒマすぎて退屈したが、家事の心配がいっさいなく、朝昼晩3度のごはんが自動的に病室に運ばれてくるのは最高だと思った。
退院してもそんな家事フリーの生活が継続したのだ。
夫の仕事が遅くまであり晩ごはんを作れない日は、お弁当を買ってきてくれた。
私は家の周りをぐるぐる歩いてリハビリしたり、寝たりする生活を5日間続けて、退院から6日目に仕事に戻った。
夫は「もっと長く休んでればいいのに」と心配し続けていた。
でも、勤務再開後も私の体調が落ち着いているのを確認すると、少し安心したようで、晩ごはんの準備の担当を少しずつ譲るようになった。
が、皿洗いはしばらくずっと夫がすべてこなしてくれた。洗濯も、ゴミ捨ても。
そして現在、退院から40日が経過した。
これまで観察したところによると、夫はいったんやり始めたことはパターン化して継続する体質のようだ。
だから緊急支援的に始めた家事も、いつしか習慣として身につけ、今でも自動的にこなしてくれる。
とはいえ仕事が忙しく、朝早く家を出て、夜遅く帰宅する日は、私がなるべく晩ごはんを準備するようにしている。
でも無理してイライラしながら生きる生活は心臓に良くないので、やりたくないこと、できないことはそのように夫に伝える。
やるのが嫌だ、厳しい、強いストレスを感じると思ったら、今日やるのはやめて明日にまわし、とにかく無理をしないようにしている。
コロナ下のテレワークの影響もあり、在宅仕事の日と週末は、夫が晩ごはんを用意する(週3日程度)。
夫が忙しくて用意できない日は私が担当する(週3日程度)。
週に1日ほど各自食べたい物を自分のタイミングで食べる日もある。
私の帰宅が17時半で、夫の帰宅が22時半の組み合わせの日など、私が空腹になりすぎて耐えれないからだ。
今では夫は家事を自分の仕事の一部と感じていて、やらないで人まかせにすることに罪悪感をおぼえるらしい。
病気にならないと家事してくれないのか、とも思うが、病気にならなくても何らかの理由をつけて家事を一定期間やらせると、案外その作業を気に入って、『俺はうまくやっている。得意かも?』と勘違いして、継続してくれる可能性もゼロではない。
母の日とか、誕生日とか、バレンタインデーにお願いして、やらせてみたらいいかもしれない。労働力のプレゼントウィークとして。
執筆者:椎名のらねこ
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