なんとか自分を元気にする方法

コロナで生活が楽になったような、苦しくなったような

お客さん 試食販売

店長と副店長にマークされるお客さん

投稿日:2019年8月20日 更新日:

某スーパーで試食販売をしていた。

このスーパーでは店長と副店長が店内をグルグルと巡回してなにか異常がないかをチェックしている。

11時ごろ、2人がなんとなく私の試食台のほうにやって来た。そして少し離れた場所に立ってこちらをじっと見守っている。

『なんだ、なんだ?』と、思った。

知らないうちに近くでなにか事件でも起こったのか?

私が動揺してキョロキョロしていると、店長が教えてくれた。「さっきお客さん、気をつけて。また4時に食べにくるから」

カートを押して買い物をしている黒い服を着て、白っぽい帽子をかぶった50代くらいの女性が店長と副店長にマークされている。

試食販売員にとっても、商品を買う気がないのに一人で試食品をたくさん食べてしまういわゆる「試食魔」は要警戒対象だ。

商品を買うために味を確かめたいお客さんの試食がすべて食べ尽くされてしまうからだ。

これまでで試食魔に食べ尽くされて嫌だった試食品のナンバーワンは、うなぎの蒲焼丼だった。

やはりうなぎは高級食品の代表で、食べたいと思っても自分で買えない人は多い。

以前出会ったうなぎの蒲焼丼の試食魔は40代くらいの男性で、買い物カゴも持たず、とても身軽に店内を回っている。

連続で蒲焼丼を何皿も食べられた。
なくなったので新たに準備するとまたやって来て、どんどん食べる。

ついに私のほうが試食品をのせたトレーを持ってその場から逃げたっけ。

試食品の使用数に上限があることもあるので、1人のお客さんにむやみやたらに食べられても困るのだ。

試食魔というのはニートというか、働いていない感じの人が多い。なぜなら毎日同じスーパーに試食を食べにくるからだ。

中には一帯の複数のスーパーを自転車で巡回して、多種多量に試食するのを日課としている試食魔もいる(食費の節約のためか?)。

試食魔の最大の特徴は、スーパーで絶対に買い物をしないことだ。

いつも食べにくるのでもう顔もしっかり覚えてしまった常連(?)の試食魔を見て思うのは『半年に一度でも、1年に一度でもいいから、試食した商品を買ってくれればなぁ』ということだ。スーパーの他の商品でもいい。

そうすればその人は「試食魔」ではなく「お客さん」になる。

さて、話は戻って、店長と副店長にじっと見つめられながら試食した先ほどの女性は・・・

「あのお客さん、私の商品を買ってくれましたよ!?」

カートにのせた買い物カゴの中を見ると、私が販売している商品の他にもいくつかの商品が入っている。

『彼女はマークすべき試食魔ではなく、ただのお客さんではないのですか? 気になる商品を試食して、気に入ったら買い物カゴに入れて、自分の口に合わなければ購入しない。しかも午前・午後とスーパーに2回来て、なんやかやと買い物してくれるとっても良いお客さんなのではありませんか?』と、心の中で叫んだ。

一度に試食する数も1個だけだ。いったい全体なにが問題なんだろう??

-お客さん, 試食販売

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

スーパーの売り場

ベテランのマネキンさん

マネキンが減っている 某スーパーに試食販売の仕事に行った。 最近は平日はもとより週末でも同業者のマネキン(派遣販売員)の姿を見ることが少ない。 マネキンの仕事が全体的に減っているようなのだ。 だから、 …

忘れられないお客さん

どん兵衛好きの男性客 数年前ですが、試食販売をしていて印象的なできごとがありました。 某スーパーで豆腐を販売していました。試食メニューは湯豆腐です。 30代の男性が買い物をしていました。昼間のスーパー …

茶碗に盛ったごはん

米と無洗米と浸水と研ぎ方

米と無洗米の味の違いは? ずっと『無洗米は普通の米よりも味が落ちるのか?』、真実を知りたかった。 イメージ的には無洗米のほうが味や食感がわるそうだが、試食販売の仕事で無洗米のご飯を炊いてお客さんに何度 …

鏡を見る若い女性

中年なのに最近よく若いといわれる

モテ期ならぬほめられ期到来? そろそろ半世紀を生きようかというのに、最近仕事中に異常に「若い」といわれる(同業者やお客のおばさん、おばあさんから。年齢がほとんど変わらない人からも。すべて女性)。 30 …

スーパーで買い物

好きなお客さん/嫌いなお客さん

試食専門客 試食販売には常連のお客さんがいる。 試食専門のお客さんだ。 スーパーに買い物を目的にやって来るのではなく、試食だけを目的にやって来る。 だいたいどこのスーパーにも試食専門客が何人かついてい …




 

椎名のらねこ

コロナで仕事がなくなり、現在は徒歩圏内の小売店でパートしてます。自分の気晴らしに、読んだ本、美味しかったものなどについて昭和的なセンスで記事を書いています。東京在住。既婚/子なし。

お問い合わせ先:siinanoraneko@gmail.com