忘れそうなお客さん
投稿日:2018年2月22日 更新日:
“忘れそうな”VS”忘れられない”お客さん
以前「忘れられないお客さん」という記事を書きました。販売員としての私に大きな喜びと満足感をあたえてくれたお客さんの話でした。
反対に「忘れそうなお客さん」とはどんなお客さんでしょうか…?
最近某スーパーで会ったお客さんが貴重な意見を聞かせてくれました。私はその内容を忘れたくないと思っているにもかかわらず、すでに忘れかけています。なので忘備緑として書き留めておきます。
70代男性客のクレーム
70代の男性です。平日昼間のスーパーではやはり女性客の数のほうが多いので男性客は目につきやすいです。昔に比べればかなり増えたと思いますが。
彼は私が試食販売していたウインナーを食べてくれました。スーパーでは同じお客さんが何度も同じ場所を通過します。しばらくしてその男性が向こうから戻ってきたので、また初めて会うお客さんであるかのように楊枝にさしたウインナーを「どうぞ」といって手渡しました。
すると彼が話をはじめました。
「あんたは、もう1回食べさせてくれるんだ。前ここで餃子を売ってたおばさんは、もう1回食べようと思って行ったら「お客さん、さっきも食べたでしょ」といって食べさせてくれなかった。買おうと思って行ったのに、そんなふうにいわれたらもう買う気がなくなる。てめえが金払ってるんじゃないんだから、どんどん食べさせりゃいいのに」
たぶん同じように思っているお客さんは多いと思います。でもこんなにはっきりと気持ちを表明してくれたのは彼がはじめてでした。
今どきのお客さんはクレームなどつけません。嫌なことや不満があっても我慢するのが一般的です。
たとえば販売員が試食させる料理になにか欠陥があっても、「まずい」とか「もっとここをこうしたらいい」と注意してくれる親切なお客さんは100人に1人いればいいほうじゃないでしょうか?
たぶんネガティブなことをいって一瞬でも嫌な空気になるのをさけて、あるいはたんに面倒くさいので、ほとんどの人がだまって立ち去ります。
だから今回のお客さんはとても新鮮でした。
でも今回も直接不満をあたえた販売員に文句をいうのではなく、別の販売員にいうのだから状況は改善しないというか…。
でもたしかにお客さんにかなり失礼な態度をとった餃子の販売員にその場でクレームをつけても逆ギレされるのがおちだったかもしれません。その空気を察知してなにもいわなかったのかも…。それ以前に販売員に怒られたのがすごくショックだったと思いますが…。
お客さんの立場と販売員の立場でそれぞれ言い分があり難しいです。
せめて不満を吐き出したことでお客さんの気持ちがすこしでも晴れれば、嫌な出来事は忘れてくれれば…と思います。
関連記事:忘れられないお客さん
執筆者:椎名のらねこ
関連記事
-
孫の母親がわりになったお客さん 某スーパーに試食販売に行った。 平日なのに妙に活気のある一日だった。 試食商品は売れたし、お客さんから結構重たい話を聞いたりしているうちに一日が終わった。 ある80代の …
-
キュウリはどこがおいしい? キュウリの簡単浅漬けをつくって試食提供していたときのことです。 キュウリ3本分を大きめの乱切りにして味付けし、お皿に盛りました。 試食は一切れのサイズが大きければ大きいほど …
-
マネキンが減っている 某スーパーに試食販売の仕事に行った。 最近は平日はもとより週末でも同業者のマネキン(派遣販売員)の姿を見ることが少ない。 マネキンの仕事が全体的に減っているようなのだ。 だから、 …
-
◎肉が苦手な子供 某スーパーでスペアリブの試食販売をしていた。 お母さんと4歳くらいの男の子がやってきた。 大半の子供は肉が大好きなので、いちばん大きく切った肉の塊を小皿にのせてつまようじを刺して手わ …