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お客さん 試食販売

家に帰りたくない?お客さん

投稿日:2019年10月15日 更新日:

某スーパーで試食販売をしていた。

60代の女性のお客さんが試食して、ちょっとおしゃべりして立ち去った。

柄物のウインドブレーカーを着て、動きやすそうなパンツをはいている。

スポーティーな印象のファッションだったので『スポーツをした帰りにスーパーに立ち寄ったのかな』と思った。

しばらくして、また先ほどのお客さんがやって来た。

試食をして、おしゃべりして、商品を買い物カゴに入れてくれた。

お客さんは20分くらいして、また近くを通りかかった。

カートによりかかりながら、店内をゆっくりと巡回しているようだ。

あまりに何度もあそびに来るので、『なんで会計をすませて家に帰らないのだろう?』と、不思議に思った。

店内は寒いし、お客さんはとても暇そうな様子だ。買い物客なのに、あまりスーパーに用事がなさそうな風情なのだ。

なんらかの理由でお客さんはスーパーで暇つぶしをしている。

そして、一箇所に立ちつくして、ほかの店員よりもおしゃべりしやすそうな私を話し相手にえらんだらしい。

ものやわらかな愛想のよい人で、暇ならずっとおしゃべりしてても嫌じゃないタイプ。

だから、お客さんの暇つぶしに、仕事をしながらつきあっていた。

『なんで家に帰らないのかなぁ。家族とケンカでもしているのかなぁ』と、妄想をふくらませつつ・・・

13時から14時まで昼休憩をとって、また定位置に戻って試食販売を再開した。

忘れていたころに、また例のお客さんが登場した。

「スーパーのイートインコーナーで食事をしていったん家に帰ったけれども、やることがないのでテレビを見ていた。テレビを見ながら、またおにぎりを2個食べてしまった」と言う。

家にいるとついついものを食べてしまうので、ふだんは外を歩きまわっている。しかし今日は雨なのでスーパーの店内を歩いているのだ、と説明してくれた。

私はついにお客さんが家に帰らない理由がわかってすっきりした。

お客さんはとくに太っているわけではなく中肉中背に見える。

とても努力家のお客さんなんだなと思った。

また彼女に会いにそのスーパーに働きに行きたいと思った。

-お客さん, 試食販売

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椎名のらねこ

コロナで仕事がなくなり、現在は徒歩圏内の小売店でパートしてます。自分の気晴らしに、読んだ本、美味しかったものなどについて昭和的なセンスで記事を書いています。東京在住。既婚/子なし。

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