1分間どこでもマインドフルネス/奥田弘美
投稿日:2021年4月9日 更新日:
脳を休ませる鼻呼吸
『1分間どこでもマインドフルネス』の副題は「ストレスと疲れがみるみる消える!」だ。
いつもストレスをためこみがちで、緊張症で疲れている私は、藁をもつかむ気持ちですぐにこの手の本に食いついてしまう。
「マインドフルネス」というのはわかりにくい言葉だが、この本の中では「マインドフルネス瞑想」の省略形として使われている。
で、「マインドフルネス」とは・・・
ひと言で言うと「気づき」のこと。
それも、「今という瞬間に起こっていること」に注意を向けて気づくこと。
いちばん最初に出てくる簡単なマインドフルネス瞑想のやり方は、目をつぶって、鼻で息を吸ったり出したりする方法。
ポイントは、ゆっくりやることと、鼻を通過する空気の流れに意識を向けること。
この瞑想による効果は、思考をシャットアウトして、脳を休息させることができることだ。
現代社会で生きる私たちは、つねに「やるべきこと」と「やりたいこと」に追いまくられていて、そのタスクを効率的にこなすべく脳はフル回転してスケジュールを調整している。
「やるべきこと」と「やりたいこと」には限りがなく、脳は一瞬も休みをとれず働きすぎで疲労している。
脳を強制的に休ませるのが、鼻呼吸のマインドフルネス瞑想なのだ。
先のことばかり考えるのをやめて、今この瞬間だけを生きるとすこし楽になる。
嫌な気持ちを追い払う腹呼吸
次は、過去に起こった嫌な記憶を追い出すマインドフルネス瞑想。
嫌なことをなんとなく流すのではなく、あえてちょっと意識して、そこに置き去りにして、先に進んでいこう。
1.最近起こった嫌なことを思い出してみる。
2.お腹に両手をあてて1分間目をつぶる。
3.鼻からゆっくり息を吸ってお腹をできるだけ大きくふくらませる。
4.鼻からゆっくり息を出してお腹をぺちゃんこにへこませる。3と4を繰り返す。
モヤモヤした気持ちをだらだら引きずらず、気持ちを切り替えるための瞑想だ。
最初、嫌な気持ちを追い払う腹呼吸のやり方を読んで「効くの?」と思った。
嫌な気持ちと腹呼吸がつながっていない気がしたのだ。
だが、実際にやってみると、本当に嫌な気持ちや、嫌な出来事の記憶がうすらぎ、逆に思い出そうとしても「あれ、何だったっけ?」みたいに頭の中で小さくなっていることがわかった。
効果を実感してからは、嫌なことがあったとき、「あれ(腹呼吸)で消しちゃおう!」と考えるようになった。
『1分間どこでもマインドフルネス』にはほかにも簡単に実践できる瞑想法がいろいろ紹介されている(ボディスキャン瞑想、笑顔ストレッチ瞑想、歩行瞑想など)。
興味のある人はぜひ一読してほしい。
執筆者:椎名のらねこ
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