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コロナで生活が楽になったような、苦しくなったような

不思議の国パキスタン/斎藤由美子

投稿日:2021年9月19日 更新日:

いろいろ探してもパキスタンについて書かれた本は少ない。

『不思議の国パキスタン』は貴重なパキスタン旅行記だ。

女性の一人旅。

でも現地にルブナという名の友だちがいた。

ルブナとは2年前のキプロス旅行中に出会い、一緒に歩き回った仲だ。

今回のパキスタン旅行は3週間。

旅行記を読み終わった印象は、『不思議の国パキスタン』というよりは『温かい国パキスタン』という感じ。

実際に著者は優しく親切な人たちと出会い、「温かい」という言葉が本文中に何度も使われているからだ。

パキスタンの正式名は、パキスタン・イスラム共和国という。

イスラム法に基づいて国が運営されている。

イスラム教のスンニ派が9割程度を占めるという。

女性にとっては特にイスラム教の国はなじみにくい。

女性が一人でいつでも好きなように外を歩き回れる日本とは真逆の国だからだ。

旅行者である外国人女性はパキスタンでは「世間知らずの女の子」あるいは「常識知らずの女の子」に見えるだろう。

彼女以外、街を一人で歩いている女性はひとりもいないのだから・・・

女性が外出するときは2〜3人連立って歩くか、男性の親族と一緒に、というのが普通らしい。

とはいえ、斎藤氏は女一人旅をやりきって無事帰国した。

やってやれないことはないのだ。

ただ、当人は平気でも、周りの男性陣が心配で見ていられないらしく、ラホールの宿YWCAで出会った日本人男性、酒井さんはその後8日間も旅に同伴してくれた。

きっと心配だったのだろう。

そして男性と連れ立っていることで、イスラム国での女性の旅は何倍も安心で気楽なものになる。

観光地でも女一人でうろうろしていると、心ある現地の男性が心配して世話を焼いてくれようとする。

イスラム国の人にとって女性の一人歩きは異常事態で黙って見ていられないようなのだ。

だが日本人女性からすれば、近寄ってきた初対面のパキスタン人男性がいい人か悪い人が判断がつかない。

下心があるのか、純粋な親切心からなのか・・・

結局、拒絶せず好意を受け入れたとしても、すべてが終わって彼と分かれるまで疑心暗鬼は続く。

別れるまでに何も問題が発生せず、最後に金銭を要求されなかったところで初めて「いい人だったのだ」と確信できるのだ。

パキスタンはまだ観光地としてそれほどメジャーではない。

だから現地の人が観光ずれしておらず、タカリやボッタクリ目的で積極的に声をかける人は少ないようだ(乗り物関係を除く)。

人間の性質は良いとして、旅行者が注意すべきものは・・・暑さ、寒さ(気候・エアコン)、蚊、香辛料の摂り過ぎ(下痢)などだろうか。

バスや列車の予約はいっぱいでなかなか取れない(観光地行きの席はパックツアー会社が押さえているから)。

英語は公用語だが、貧乏旅行の道程で出会う人たちにはあまり通じないようだ。

ウルドゥー語ができれば旅がやりやすくなるだろう。

モエンジョ・ダロの遺跡は素晴らしいという。

もっとパキスタンについて書かれた本を読みたい。

関連記事:インド旅行記123/中谷美紀

『不思議の国パキスタン』のAmazon商品ページ(単行本)

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