お能健康法/井上和幸
投稿日:2021年1月6日 更新日:
『お能健康法』の副題は「すり足と呼吸で身体がよみがえる!」。
能なんて興味がなくて(醸す気配がちょっと怖い)、普段なら図書館でも絶対に手に取らない本だ。
実は『お能健康法』は図書館の福袋に入っていた。
1月5日の正月明けの開館日に近所の図書館に行った。
昨年もこの時期にあったが、何が入っているかわからないあの紅白の紙製の福袋が折りたたみテーブルに並んでいた。
ワクワクしながら1つ選んで貸出しカウンターに持って行った。
私が選んだ福袋の中身の1冊が『お能健康法』だったのだ(全3冊入っている)。
正直、最初見たときはギョッとして引いたが、本が好きなので手元にあれば読まないはずがない。
結局、読んで良かった。未知の世界の扉が開いた感じ。
能の発祥は600年前の室町時代までさかのぼるそうだ。
有名なのは観阿弥・世阿弥親子。
そこから現在まで能は脈々と続いている。
続いているということは、一般人にはわかりにくくても、存在理由があるということだろう。
タイトルの『お能健康法』については、とにかく能は鑑賞するだけでも身体に良く、その音楽(謡)を耳で聴くだけでも心身が健康になるという。
もちろん自分でうたい、ステップ(すり足)を真似るともっと良い。
本の中にも能によって病気が治ったなどの奇跡的な実例が記述されているが、論は証拠で試しに本書イチオシの音楽(謡)を聴いてみようと思う。「西王母」という曲だ。
能のすり足も一度試してみようと思う。
心身ともに健康になれるなら何よりではないか。
ただ、そんなに能が身体に良いなら健康法としてもっと流行っても良さそうだ。
みんな能について知らないということと、雰囲気がとっつきにくいことと、やはり若者の西洋化したセンスには合致しないのかもしれない。
執筆者:椎名のらねこ
関連記事
-
-
1. 『霧のなかのゴリラ』(ダイアン・フォッシー著) 1967年に始まり10年以上続けられたダイアン・フォッシー博士のルワンダにおけるマウンテンゴリラの観察記録である。 ゴリラと人間のDNAの違いはわ …
-
-
学生時代に日本史の授業でならったはずの応仁の乱。 日常生活を送っていて本などを読んでいるときたまに「応仁の乱以降…」といったフレーズがでてくることがある。 これまでずっと「応仁の乱」という言葉は聞かな …
-
-
(※ネタバレありです) 感想・あらすじ とても面白い小説だった。読みはじめると最後までとまらなくなる。文章が読みやすい。 でも読んでいるとき怖かった。主人公の拓人の秘密がだれかによって突然あばかれるの …
-
-
中国とのかかわり 音楽についての本質的な話や原始的な話を作曲家の武満徹と指揮者の小澤征爾がざっくばらんに語り合った貴重な記録。 最初に意外だったのは、2人とも6歳までの子供時代を中国で暮らしていたこと …
- PREV
- コロナ中の花粉症対策
- NEXT
- 夜の来訪者