なんとか自分を元気にする方法

コロナで生活が楽になったような、苦しくなったような

認知症 生活 健康

朝と夜を間違える

投稿日:2021年8月26日 更新日:

ある日、夜の9時半に「銭湯に行こう」と思い立った。

夫が会社から帰宅して晩ごはんが10時半〜11時くらいに始まるだろうか?

今夜のおかずはカツオのたたきで、薬味も全部大皿に盛って冷蔵庫に入れてある。

が、シェア自転車に乗って片道10分強を往復して風呂に入ると時間ギリギリだ。

まあ、遅れても夫のお腹が空くだけだし・・・

いちおう「銭湯に行くので先に食べてて」と、書き置きを残して出かけた。

マンションの2階から1階まで階段をかけおりてシェアサイクルの駐輪場に向かって歩き始めると・・・

「すみません、すみません」という女の人のかぼそい声がどこからか聞こえた。

振り向くと、マンションの花壇のフチに201号室のおばあさんが座っていた。

マンションの通路で会えばあいさつしたり、少し話をしたりする間柄だ。

こうやって呼びとめられるパターンは、具合でも悪いんじゃないかと一気に心配モードになった。

と、Sさんは「今、何時?」ときいた。

(※今回の一連の会話の中でおばあさんの名字がわかった)

シェアサイクルで使うため私は手にスマホを握っていた。

「9時半です」とこたえると、「なんだか暗いわねー。いつもこんなもの?」と空を見ながらいう。

「こんなものです」と答えた。

S:「車が来なくて。9時半に来るっていってたのに」

私:「タクシーですか」

S:「知り合いの車。乗せていったげるっていったから」

私もとりあえず横に腰かけて数分間一緒に待ちながら雑談した。

とはいえ、ずっと待ち続けるわけにはいかない。

私:「こんな時間だから、待っててもあれだから、電話してみたら?」

S:「まだ早い」

といいながらメモした知り合いの電話番号を私に見せてくれた。

Sさんも携帯電話をもっているのだが、自分でかける気はないようだ。

しかたないので私のスマホにその電話番号を打ち込んでSさんに手渡した。

うまく先方が出てくれて、車が来ない理由が判明した。

9時半は、朝の9時半だったのだ。

Sさんは今が朝の9時半だと思って、夜の9時半にマンションを出て、車を待っていたのだ。

『そんな勘違いってアリ!?!』

と、非常に驚いた。

でもとりあえず一件落着ということで、ひと安心して駐輪場に向かった。

昼と夜の区別がつかなくなるのは認知症の症状で「見当識障害」と呼ばれているらしい。

参考記事:LIFULL 認知症の進行のしかた|中核症状と周辺症状

 

読むとラクになるいちばん役に立つ認知症関連本:『認知症の人の心に届く声のかけ方・接し方』

関連記事:認知症の人への接し方がよくわかる本

関連記事:認知症のことがよくわかるオススメ本

おすすめ記事:診療内科を初受診した(安かった)

おすすめ記事:尻からラー油事件

-認知症, 生活, 健康

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

私の盲端/朝比奈 秋

(※ネタバレありです) 私の盲端 朝比奈秋著『私の盲端』を読んだ。 書評を読んで興味をひかれたからだ。 『私の盲端』は、今まで読んだことのない内容だった。 著者は医者だというが、確かに体とか内臓とか、 …

家族/親戚づきあいが苦手

幼少期からずっと毒親(母親)に苦しめられていたので、大人になっても人間に根源的な不信感をいだいている。 親とか子とかと二度とかかわりたくなくて、子どもをつくらない。親になりたくないし、子どももぜんぜん …

おのぼりさん

◎おのぼりさんの楽しみ 地方から東京見物などにやってきた人のことを「おのぼりさん」といいますね。 私がそれです。 生まれも育ちも西国で、東京で暮らすようになったのはここ10年のことです。 10年間東京 …

小三治の落語は混むからもういいや。

土曜日に新宿の末廣亭に柳家小三治の落語を聞きに行った。 寿正月二之席の夜の部のトリが小三治だ。 昼夜入替なしなので、昼の部の中入り(2:30)のあたりで寄席に入りこみ、昼の部のお客が退出する際に夜の部 …

雲の話

雲が好き 雲を見るのが好きで、歩きながらよく空を眺めている。 先日ふと思いついて、図書館で雲の本を借りてみた。 イギリスのギャヴィン・プレイター=ピニーが書いた『「雲」の楽しみ方』だ。 2週間では読み …




 

椎名のらねこ

コロナで仕事がなくなり、現在は徒歩圏内の小売店でパートしてます。自分の気晴らしに、読んだ本、美味しかったものなどについて昭和的なセンスで記事を書いています。東京在住。既婚/子なし。