心臓カテーテル検査体験(冠動脈造影)(3/1)
投稿日:2022年3月3日 更新日:
手術再延期
3/1に僧帽弁閉鎖不全症手術のために入院した。
同日、手術に関する新たなリスクが発覚し、3/2の手術は再延期されることになった。
手術の延期は2回目だ。
最初の手術予定日は2/3だったが、コロナ関係の事情で3/2に延期された。
心臓カテーテル検査(冠動脈造影)体験記
翌日の手術は中止になったが、せっかく入院したのだからついでに(?)と、冠動脈カテーテル検査を受けて帰ることになった。
これは手術延期が決まる前から、3/1午後に行うことが予定されていたものだ。
冠動脈カテーテル検査を受けた夜はシャワーを浴びることができないので、先に済ませるよう看護師からすすめられた。
シャワー後、病室で検査着に着替えて、その場で看護師が右腕に点滴を入れた。
検査着は、胸元を開きやすいように布少なめでゆったり作られた薄手のガウン(羽織り)みたいなものだ。
パジャマよりも胸元の露出が多く、丈は長めだと思うが、ズボンをはかないので油断するとすぐに腿や下半身が露出される。
下着は紙パンツに替えるよう指示された。
紙パンツといっても不織布みたいな素材でできている(色は紺色だった)。
点滴は車輪がついた支柱にぶら下がっており、看護師につきそわれて検査室まで自分で運んでいった。
検査室は診査室や他の各種検査室とは全然雰囲気が違った。
大きめの特殊なベッドが真ん中にあり、それを取り巻く機械類、備品がいっぱい部屋に置いてある。
部屋はそんなに広くない。
最初に私を迎えてくれたのは柴田理恵に似た若い女性医師で、検査室(手術室)の中には若い男性医師が2人いた。
合計3名の医師で冠動脈カテーテル検査を行うらしい。
普通のベッドよりも高めのベッドに階段で昇る(3段?)。
利き手と反対の左腕に、最初に痛み止めの麻酔が注射された。
続けて動脈にカテーテル+造影剤が挿入された。
痛みはないけど、得体の知れない薬剤や管を体にどんどん入れられる気味の悪さとの戦いだった。
心臓カテーテル検査というのはもうほどんど心臓手術に近いものがある。
心臓の血管が詰まったときに、カテーテルやステントを使って血管を広げる比較的簡単な手術がある。
今私が体験していることは、心臓カテーテル手術とあまり変わらない手順で行われているような気がする。
とすれば心臓手術でも、心臓検査でも、実際のものは私が今までアメリカの医療ドラマシリーズで見てイメージしていたものとはかなり違う。
ドラマの手術はクリーンで、小綺麗で、静かな緊張感につつまれ、厳かな雰囲気に満ちていた。
私を検査する医師たちはドタバタと動き、若いせいかやや乱暴なイメージだった(どこも痛くはないけれど)。
とても急いでいる印象が残った(確かに検査は早く終わるに越したことはない)。
周りの機械類は多種の大きな警告音を発して私を不安にした。
検査中は、まるで工場で車を組み立てているような雰囲気だった。
15分ほどで検査が終わった(15分は自分が知る最短検査時間だとあとで看護師さんが言っていた)。
手首のカテーテル挿入跡に幅の広いプラスチックの透明バンドが巻かれた。かなりきつく巻く。
女性医師が看護師に連絡して車椅子が検査室に運ばれた。
初めての車椅子に乗って、病室まで移動した。
私は医療ドラマが好き過ぎて、『自分の心臓手術を自分で見てみたい』と思っていたが、今回冠動脈カテーテル検査の一部始終を見守って、『手術は見なくていい』と考えをあらためた。
動脈の止血がポイント
私たちが通常注射したり、採血したりするのは静脈だ。
冠動脈カテーテル検査は動脈で行った。
動脈の方が流量が豊富で勢いが強い。
小さな穴でもいったん出血するとなかなか止まらない。
動脈止血用の透明ベルトは注射器で空気を入れることによって圧力を調整することができる。
検査後30分ごとに何度か圧力をゆるめて出血状況を確認する。
1〜2時間はベルトで強く押さえつけてないとダメな状態だった(1度ゆるめたら出血した)。
麻酔の違和感は1〜2時間で消えた。
その後も1〜2時間ごとに看護師さんが空気圧の調整をしてくれた。
同時に血圧をはかったり、体温を確認したりもする。
検査後は、心電図モニターをつけられた。
胸にいくつか電極をつけてオンラインでナースステーションにデータが送られる。
あるとき動いていて間違って電極が2本胸から外れてしまった。
ほどなく看護師さんが気づいて、やって来て戻してくれた。
15時ごろ検査が終わって、その日最後の出血チェックが22時で、当日中に止血ベルトは外されなかった。
翌朝6時すぎについに止血ベルトを外すことができた。
手首の刺し穴の周りには内出血が青く広がっていて気持ち悪い。
でも看護師さんはこの状態で大丈夫だと言っていた。
最初から最後まで痛みはなかった(注射を刺す瞬間を除く)。
冠動脈カテーテル検査の翌日退院して、次の日は休養日にした。
その次の日から仕事に復帰する予定。
<<検査から1週間後>>
<<検査から半月後>>
<<後日談1>>
3/1の15時ごろに冠動脈のカテーテル検査をした。
当日は入院して、3/2の10時前に退院した。
3/3は1日中、横になって寝ていた。
3/4は朝から8時間働いた。
左腕のカテーテル挿入口からの出血は完全止まった。
どこにも痛みはない。
午前中は腕に少し違和感があったのでなるべく使わないようにしていた。
寝ているときは体調は良好に思えたのだが、3/4に働き始めると(ずっと立ち仕事)、体が今までと違うことに気づいた。
胸のあたり(心臓周りの冠動脈?)がモヤモヤして気持ち悪いのだ。
やっぱり血管にカテーテルをとおした影響がまだ残っているのだ。
造影剤がまだ残っているのだろうか?
冠動脈に傷が付いて出血しているという可能性はないと思う。
それを警戒して、検査後は看護師がつきっきりで各種数値をはかって様子を見てくれたから。
それでも働きながらもとにかく不安がつのった。
帰宅して夕飯を食べて、あとはひたすら横になって安静につとめた。
3/5も仕事だが、大丈夫だろうか?
最初からわかっていれば2~3日は仕事は入れなかった。
<<後日談2>>
冠動脈カテーテル検査から4日目はだいぶ状態がマシになった。
5日目は体をかばわずに自然に働けるようになった。
とはいえ6日目現在も、検査前には感じなかった胸部の違和感が残っている気がする。
検査の後遺症ではなく、たんに心臓弁膜症が着実にすすんで胸部を圧迫しているだけかもしれない。しばらく様子見だ。
執筆者:椎名のらねこ
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