マネキンの一日(業務の流れ)
投稿日:2018年5月16日 更新日:
「マネキン」とは、スーパーや百貨店で試食販売をおこなう販売員をさす業界用語です。
今回はマネキン業務の一日の様子を紹介します。
よくあるスーパーでのウインナーの試食販売を例にとります。
東京での試食状況になります。
持ち物
グリル鍋・トング・調理バサミ・まな板・包丁・キッチンペーパー・ウェットティッシュ・クッキングシート・アルミホイル・除菌スプレー・トレー・つまようじ・テーブルクロス・ビニール手袋・マスク・ゴミ袋・エプロン・三角巾・アレルギーの注意書き・報告書・社員証(身分証)・細菌検査結果・ペン・セロテープ・ダスターなど
※あると便利な物:S字フック(荷物の置き場所が足りないとき、試食台のフチや平台のフチに荷物を引っ掛けられる)・大きめの布(短時間試食台から離れたいとき試食品にかけて食べられないようにする)
絶対に忘れてはならないのが鍋と鍋のコードとエプロン・三角巾・報告書・社員証(身分証)・細菌検査結果・財布だと思ってます。
あとは忘れてもコンビニやスーパーでだいたい購入できます。
入店から退店までの手順
(バックヤードでの打合せ・準備)
・従業員用の入口(通用門・通用口)から入店する。
・受付で名前・入店時間などをノートに記入する。
・受付の近くに店舗のゴミ捨て場があることが多いので、分別の仕方を確認しておくとあとがラク(分別のない店舗もあるので)。
※私は前もって店内で自分が販売する商品の場所を確認します。ついでにコンセントの位置も確認します。不明点があれば担当者に会ったときにまとめて質問します。
・部門に行き担当者にあいさつする(この前後に適当な場所でエプロン・三角巾を身につける。更衣室を利用できる場合もある)。
・販売する商品・どの商品を試食提供するか・試食台の場所・コンセントの場所・洗い物をしたり野菜を洗ったりできる場所(休憩室・準備室など)・私物置き場・試食品の処理方法(買取・返品処理)・昼休憩の時間などについて確認する。ウインナーを入れる発砲スチロールのトレーをもらう(アルミホイルをかぶせてお皿にする)。
・試食台にテーブルクロスをかけたり、ゴミ箱(なければダンボール)にゴミ袋をかけたりセッティングする。
・買い物をする。
・準備室などで下準備をする。
(売り場で販売)
・販売場所で調理・販売をする。
(商品の在庫数・販売数)
・最初に商品の在庫数をすべて把握しておけば、最後に試食数・残数と差し引きして販売数を知ることができる。
・数えきれないときは最後に担当者にデータをもらう(くれないこともある)。
(昼休憩)
・10時に販売開始の場合は13時に、11時の場合は14時に休憩をとることが多い(店舗の指示があることもあるし、前後にずれることもある)。
・部門の担当者に声をかけて休憩にはいる。
・終わったら、担当者に声をかけて販売を再開する。
(販売終了・片付け)
・販売時間が終了したら試食台とゴミ箱を元の場所にもどす。
・試食分を返品処理する場合は、試食品のパッケージなどをまとめて担当者に渡し、数量を報告する。試食分を買い取る場合はレジで買い取る(最初に担当者に会ったときに「あとでまとめて買い取らせていただいてもよろしいですか?」と確認しておく)。
・報告書にサインなどもらう。
・ゴミを分別して所定の場所に捨てる。
・最初の受付で退店時間などをノートに記入して退店する。
私物を置く場所
私物の置き場所がわからないことがあります。担当者・お店の方に確認するのが確実ですが、ヨーカドーさんはマネキン用ロッカー、なければ受付に預けるパターンも。イオンさんは試食準備室のあたりに置くことが多いです。サミットさんは更衣室に。ライフさんは受付(事務所)の近くか休憩室の近くに私物置き用の棚(スチールorメタルラック)があるので、そこに置いています。
※マネキン会社・店舗・販売商品によって持ち物や試食方法がすこし違いますので、現場の状況に合わせて柔軟に行動します。
※現場でわからないこと・困ったことがあれば、お店のパートさん、社員、他の販売員などに相談してください。
※最後に報告書にサインをもらうときに担当者がどこにいるかわからない場合があります。売り場にいなければ、肉と魚・野菜部門は作業場か冷蔵庫の中で商品整理をしていたりします。イオンさんではフロア室というパソコンが置いてある部屋の中にみんないることが多いです。ヨーカドーさんはバックヤードの各部門のパソコンで作業していたりします。スーパーは広くて人探しがむずかしいのでお店の誰かにたのんで内線電話で呼び出してもらうのも一つの手段です。
販促物を送り返す方法
販促物の返送は苦手です。
やる機会がめったにないので慣れていないし、受付場所や、やり方がスーパーによって違うので、毎回迷いながら手続きをしています。
販促物の返送は梱包や手続きに時間がかかるので、試食販売が終わってから返送の準備を始めるのではなく、できるだけ早めに返送方法を把握したほうがいいです。
基本的には販売する商品の担当者にあいさつするときに、他の質問事項とともにどこで/どうやって荷物を返送できるのかきいてみます。
朝、担当者が忙しそうだったら、昼休憩をとるときに、あるいは昼休憩が終了したタイミングで声をかけて、荷物の返送方法についても確認します。
担当者は自分で荷物を送ることがないので、返送方法についてわからないことがあります。
前もってサービスカウンターで荷物の発送手続きができるか自分できくこともできます。
小規模のスーパーではサービスカウンターが窓口になっていることが多いようです。
大型スーパーには商管(商品管理)という場所が納品口の近くにあり、その辺りに運送会社ごとに発送荷物用の棚があることもあります。
試食販売が終わる時間には商管の人たちは帰ってしまって担当者は誰もいなくなります。わからないことがあっても質問できないので、早めに朝とか昼にでも、どこが集荷場所なのかを確認したほうが早く帰れます。
返送用の適当な大きさのダンボールをさがすとき、送り込みのダンボールの切れ端にペンでサイズの印をして持ち歩いてさがすとかさばらず便利。
(注1)所定の場所に荷物を置けば自動的に集荷してくれる場合が多いですが、店から発送する荷物がほとんどないスーパーでは、自分で伝票に書いてある集荷用の番号に電話をかけて、運送会社に集荷を依頼しなければなりません(どうしても電話がつながらなかったとき、スマホで運送会社のウェブサイトから集荷依頼をしたこともあります)。
(注2)業務中に、早めにダンボールに発送伝票をはっておくと、置き場にかかわらず、運送会社の人が勝手に荷物を集荷してしまうことがあるそうです(実際にあった話です)。
関連記事:試食販売の七つ道具
執筆者:椎名のらねこ
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